金食い虫の消耗品を長持ちさせてクルマの維持費を大幅削減できる5つの心得

タイヤは走らなくても傷んでしまう!

 走れば走るだけダイヤは摩耗する。摩耗が限界かどうかの判断をする指標がタイヤの溝にある1.6mmの高さのコブ、スリップサインだ。これが出てしまっているクルマは車検にも通らないため交換が必要となる。

 雪道や凍結路で滑りにくいスタッドレスタイヤの場合は、スリップサインとは別に、溝の深さが新品時の50%に達したことを意味するプラットホームというサインもある。プラットホームが露出したスタッドレスタイヤは冬用タイヤとしての機能が果たせないレベルになっていることを意味しているので注意が必要だ。

 また、摩耗が少ないからといって、製造から長い年月が経ったタイヤを使用するのは危険だ。見た目には問題なくても十分な機能を発揮できるとは限らない。多くのタイヤメーカーでは、使用開始から5年以上経過したものは速やかな点検を、製造から10年以上経過したものは交換を推奨している。

 スタッドレスタイヤの場合は、一定条件下の試験によって3年程度は性能を維持するという結果が出ている。もちろん劣化の速度は使用状況や環境によって異なり、これはあくまで限界の目安で、それより早めの交換が安全を確保するうえでは必須だ。

タイヤを長持ちさせるコツ

■タイヤ洗う際はできるだけ水のみを使用する
 洗剤を使用してタイヤを強く洗ってしまうと、劣化の原因物質からゴムを保護するための劣化防止剤やワックスによる保護層まで洗い落としてしまう可能性がある。できる限り水洗いを心がけよう。

■適正な空気圧に保つ
 自転車と同様にタイヤの空気は少しずつ抜けてくる。空気圧が適正値にないと偏摩耗を招くので定期的にチェックして適正な空気圧を維持することが長持ちにつながる。

■「急」のつく動きはNG
 急発進、急ブレーキといった急な動きはタイヤにより強いトラクションがかかり、摩耗を早めてしまう。スムーズな運転を心がけることは安全を守るだけでなくタイヤの消耗を抑えることにつながる。

■重い荷物を積みっぱなしにしない
 荷物が重ければそれだけタイヤに荷重がかかり摩耗を早めることになる。重い荷物を運べるのがクルマの利点ではあるが、不必要なものを積みっぱなしにはしないほうがタイヤの消耗は抑えられる。

■タイヤをローテーションさせる
 ローテーションとは装着済みのタイヤを入れ替えて摩耗を均一化させること。一般的にエンジンの力が加わる駆動輪のタイヤの方が早く摩耗する傾向があるため、これらを入れ替えることでそれぞれのタイヤの摩耗する箇所を分散させ、全体としてタイヤを長持ちさせることができる。

■保管方法に注意する
 冬にはスタッドレスタイヤを、それ以外のシーズンは夏用タイヤに履き替える人は多いだろう。使用しないタイヤを保管する際にはゴムを劣化させる要因である日光、水分、油、熱源などを避けることができる冷暗所に保管しよう。

 重量のあるホイールごと保管する場合は空気を半分程度抜いてゴムへの負担を減らし、平積みにすると変形しにくくなる。逆にタイヤ単体で保管する場合は、平積みすると上のタイヤの重さで潰れてしまう可能性があるので縦にして保管したほうがいい。

 また、長い間動かさない場合、地面に接している面が潰れて変形してしまうので適度に乗ってあげることもタイヤの寿命を延ばすためには必要だ。

知らないうちに弱っていくバッテリー

悩ましい!! 金食い虫の消耗品を長持ちさせてクルマの維持費を大幅削減
開放型バッテリーの場合、正面にUPPER/LOWERの目盛りがあるのでそのラインの間にバッテリー液の液面があるように調整しよう。密閉型はそういった手間は必要ないためメンテフリーバッテリーとも呼ばれている

 一般的に鉛バッテリーの寿命は2~3年と言われている。バッテリーが弱ってくるとエンジンのかかりが悪くなったり、エンジンの回転数によってライトの明るさが変わったり、パワーウィンドウの開閉が遅くなるといった兆候が出てくるので日頃から注意しておこう。

 バッテリーの寿命を減らす大きな原因がサルフェーションと呼ばれる現象だ。鉛バッテリーの場合、内部のバッテリー液と、液に浸った極板が化学反応することで電気が発生する。この極板に結晶が付着することで極板とバッテリー液が触れ合えず、化学反応を起こせなくなる(=充電できなくなる)現象だ。

 放電状態のバッテリーを長期間放置したり、バッテリー液が少ないまま使用することはサルフェーションを急速に進行させてしまい、いくら充電しても元と同じ能力を発揮させることはできない。

バッテリーを長持ちさせるコツ

■チョイ乗りは避け、定期的にクルマを走行させる
 放電状態での放置はサルフェーションを急速に進行させるが、サルフェーション自体は繰り返しの放電時にも発生している。しかし、微量であれば走行による充電で再び液に溶け込むため影響は少ない。ライトなど電気の消費が多い夜間走行、充電時間の短いチョイ乗りの割合が多いと充電不足かつ放電過多となりやすく寿命が短くなるため、定期的にそれなりの距離を走ってあげることがバッテリーの長寿命化に繋がる。

■バッテリー液の液量が減っていたら補充する
 鉛バッテリーには液を自分で補充する必要のある開放型と補充の必要がない密閉型(メンテフリー/MF型)と呼ばれる種類がある。開放型バッテリーの場合、バッテリーに記載されているラインより液面が下がっていたら補充することでサルフェーションを予防し、バッテリーの寿命を延ばすことができる。

■バッテリー充電器を使用して補充電
 テスターによってバッテリーの電圧を測定、基準値を下回っていれば充電器を用いて追加の充電(補充電)を行う、というのが正しい手順となるが、最近の充電器は高性能で接続さえすれば自動でバッテリーの状態を診断、必要なだけの充電を行ってくれる。充電器によってはある程度のサルフェーションを電気的刺激で分解してくれるパルス充電機能付きの充電器もある。

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