■実はハンパないAppleの技術力
衝撃を感知する機能は現在のスマートデバイスのいくつかには搭載されている。しかし、対応する製品に搭載されている「デュアルコア加速度センサー」はモノが違う。感知するする衝撃Gは信じられないが最大256Gという数値を測定できるという。さらに言えば、衝撃だけでなく、車内にいる以上はその衝撃により車内の圧力も大きく変化する。
新しいiPhone14シリーズには従来までのGPSに圧力センサーや加速度センサー、さらにマイクから瞬間的に取得した事故時のノイズまでも収集し、独自のアルゴリズムでこの機能を動作させるのだ。
Appleをヨイショするつもりはさらさら無いが、ここまでやらないと人命を守ることはできない、という技術力の高さによるものだろう。
■自分のiPhoneでも使えるのか?
結論から言うと、iPhoneに関しては最新の「iPhone14シリーズ」に最新のiOSをインストールしておく必要がある。
筆者は現在、複数台のスマートフォン&スマートウォッチを日々使い分けているが、残念ながら所有するiPhoneは「13Pro」である。
これでは最新機能が使えない、と思っていたのだが、衝突事故検出機能に関しては「Apple Watch」があれば対応できることがわかった。
対応モデルは最新のwatchOSをインストールした「Apple Watch Seris8、Apple Watch SE (第2世代)、Apple Watch Ultra」だ。
これまで使っていたSeries7を売却し、Series8を自腹で購入。本音を言えばSeries7でも十分だったのだが、実際使ってみると従来よりバッテリーの持ちも良くなっているし、何よりもこの最新機能が使えるのが嬉しい。
もちろんApple Watchは高額だ。購入したSeries8は5万9800円から、新モデルで画面がさらに大きく耐衝撃性能も優れた「Ultra」に至っては12万4800円ととてもじゃないが手が出ない。
そこでオススメなのが、廉価モデルの「SE」だ。これならば価格も3万7800円からと今回の衝突事故検出機能にも対応している。
■ウエアラブルデバイスとクルマとの連携は確実に深い関係になっていく
安全装備がどんなに進化しても事故だけはゼロにすることは難しい。将来クルマが知能化されることで事故自体もかなり減るだろう。しかし何よりも重要なのはドライバーや同乗者の命である。
昨今のクルマにはiPhone14などで使える機能を最新の先進安全装備として搭載しているモデルもかなり増えてきた。
しかしまだまだそれらを搭載しているクルマは世界はもちろん、日本で実際に走行している全ての車両から考えてもまだまだ少ない。
わかりやすく言えば、新車販売が半導体不足などをきっかけに手に入りにくくなっている昨今、中古車の市場が大きく動いている。
つまりそれらの先進安全機能を搭載していない中古車ユーザーにこそ、今回のiPhone14やApple Watchを使うことで自分の身を守ることでできるのだ。
今回は触れないが、運転中の心拍数の変化やストレス値の上昇も今、自動車メーカーはこれらのウェアラブルデバイスと連携させようと試行錯誤していると聞く。
20年以上前にトヨタが実験的な参考機能としてステアリングに脈拍センサーを搭載したことがあったが将来は手のひらからの情報や現在搭載されている「ドライバーズモニタリングシステム」のような網膜を認識し安全運転に寄与するモデルも増えてくることは間違いない。
その点でもiPhoneだけではなく、クルマとウェアラブルデバイスの関係は今後ますます親密になっていくことは間違いなさそうだ。
【画像ギャラリー】いざというときに役に立つApple Watchの設定画面(4枚)画像ギャラリー
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