日本を大事にするクルマ6/アルファード&ヴェルファイア
トヨタのミニバン群はトヨタの顧客重視の姿勢、営業力の強さが生み出した大事にしているモデルの好例が、アルファード/ヴェルファイアとヴォクシー3兄弟といえる。
どれも大型グリルまわりのメッキ仕立てのオラオラ顔が、なんらかの形で抜け目なく設定されていることを見ればわかるというものだ。
トヨタが掲げる「国内販売300万台維持」という目標は、マーケットの要望に応え続けることでしか達成できないことの表われともいえる。
日本を大事にするクルマ7/ヴォクシー&ノア&エスクァイア
5ナンバーサイズミニバンとして、セレナ、ステップワゴンとともにガラパゴス的な日本独自のミニバン市場を形成してきた、いわばミニバン販売拡大の牽引役といっていいのがヴォクシー&ノア&エスクァイア三兄弟。
いままでも、これからも当然生き残るだろうし、今後も日本人のために、ミニバンの使い勝手を追求して進化していってほしい。
日本を大事にするクルマ8/ハリアー
正確には日本市場を大事にするようになったというべきハリアー。現行ハリアーはレクサスRXと離され、日本未発売の4代目RAV4の基本コンポーネントを流用し、2013年11月に販売された。
国内専用車として2003~2013年という2代目の生産期間は、危うく消滅する危機にあったことを想像できる長さだ。
現行ハリアーは国内での復活を望む声を受けて開発されたという話だが、現状のトヨタブランドでは、日本市場において、オフロード性能を意識したRAV4とスタイリング重視のクロスオーバーのC-HRの2モデルの狭間に位置する。
国内専用車であるハリアーは立場に多少の危うさはあっても、ポジションは的を射ているというべき。
次期ハリアーはどうなるのか気になるところだが、オーソドックスな形のSUVはRAV4に任せ、ハリアーはクーペSUVとなって、2020年夏に販売予定となっている。
日本を大事にするクルマ9/ノートe-POWER
トヨタのハイブリッド路線に対抗する手段として、エンジンを動力源のみとしてシリーズハイブリッドである「e-POWER」を与えられたノートは、2012年に日本で発表された後、2016年に「e-POWER」を導入した。
日産は日本市場専用のパワートレインとして、「e-POWER」を電動化技術を一般向けに訴求するために活用しているが、車種そのものを大事にしているといえるかどうかは少々怪しい。
ともあれ、現実として販売台数の増加に反映されているのだから評価すべきだろう。
日本を大事にするクルマ10/カローラセダン&ツーリング
いうまでもなく、トヨタの「世界戦略車」であるカローラは、先に発表された日本仕様の新型は全幅を拡大(1695→1745mm)して3ナンバーサイズとなった。
しかし、5ナンバーサイズじゃなくなったからといって、日本を大事していないかというと早合点だろう。
先代モデルではヴィッツなどと同じBプラットフォームを採用したカローラだったが、今回はグローバルモデルと共通のGA-Cプラットフォームを採用することで、ワンランク上のシャシー性能を追求した。
カローラの海外仕様と日本仕様を比較すると、いかに日本を大事にしているか、数字を見れば明らかだ。
日本仕様のカローラセダンの全長は4495mmで海外仕様から-135mm、全幅は-35mmの1745mm、全高は変わらない。
日本仕様のカローラツーリングも同様だ。全長は海外仕様から-155mmの4495mm、全幅は-45mmで全高は同じ。
ホイールベースはセダン、ツーリングともに海外仕様に比べ-60mmだ。
全幅1790mmのスポーツに対し、セダン/ツーリングは1745mmと45mm幅狭ボディとなっている。
これはもちろん国内での使い勝手を考慮したためだ。外板で輸出仕様と共通なのはエンジンフードとワゴンのテールゲートだけで、前後フェンダーやドアパネルなどはすべて国内向けの専用設計となっている。
さらにドアミラーの取り付け位置まで変更。ドアトリムもトリム後方を従来モデルより16mmほど薄くして、少しドアを開けた状態でも従来のドアより広い隙間が生まれるようにするなど細かい改良を行っている 。
日本発祥のカローラに最大限トヨタが示した良心といえそうだ。
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