日本を大事にしないクルマ1/RAV4
続いて、日本を大事にしないクルマを挙げていこう。
まずはRAV4。2019年4月に発売されたトヨタのRAV4は、5月に6817台、6月7822台、7月8646台、8月6277台、9月6601台、10月3919台と、それまでの王者C-HRを引き離してSUV1位を獲得した。
日本では2016年に一旦生産終了となりながらも、北米でヒットを飛ばしたRAV4が、日本再上陸で予想以上の大ヒットで、ついにSUV販売1位に躍り出たのだ。
まさに主戦場であるアメリカから戻ってきて返り咲いた稀有な例といえる。日本を大事にしないクルマがこれほど売れるとは……。
日本を大事にしないクルマ2/レガシィ
2014年に6代目となる日本市場での現行モデルが登場したのち、北米市場ではすでに2020年モデルとして7代目が、B4(セダン)を2019年2月のシカゴショー、アウトバックを同年4月のニューヨークショーでそれぞれ披露されたように、レガシィのモデルとしての販売の軸足は明確に北米市場にある。
日本市場では6代目からはレヴォーグの登場に合わせて、B4とアウトバックのみの設定となった。
新型はすでに北米での生産が始まっている新型「レガシィ」(米国仕様)は、スバルの米国インディアナ工場で生産し、北米市場では2019年9月から販売している。
で、日本での発売はどうなるのか? 実は、セダンのB4は国内での生産および販売を終了する予定で、アウトバックは2020年後半を予定している。
かつて大ヒットしたレガシィは生誕の地、日本では風前の灯。これからは日本がメインのレヴォーグに委ねられる。
日本を大事にしないクルマ3/スカイライン
いかにも遅ればせながらというべきか、2019年9月にビッグマイナーチェンジを受けたスカイラインは、丸目4灯のリアコンビネーションランプを与え、インフィニティバッジを廃止するなど、日本市場にようやく積極的に目を向け始めた。
インフィニティブランドの日本導入騒動(結局、実現せず)から始まった廃止論をくぐり抜け、多くの反省に基づいた努力は認めたい。
しかし、プロパイロット2.0がハイブリッドのみの設定というのも、どうも腑に落ちない。ハイパフォーマンス仕様の「400R」を用意したのは巧みな販売戦略といえるが、アメリカ仕様にも当然あるため、特別に日本を大事にしているとは言いにくい。振った彼女を思い出して見つめ直したという表現が妥当かもしれない。
日本を大事にしないクルマ4/ジェイド
ジェイドは開発の段階からストリームとオデッセイを統合した車種で、中国市場に主眼を置きつつも他地域への投入も視野に入れたグローバルカーという位置づけ。
それを日本の消費者は見かぎっているのだろう。ジェイドの2019年の新車販売台数は3桁どまり、9月はたった246台。悲しすぎる顛末である。
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