クルマのウインドウに貼られているステッカーといえば、真っ先に思い浮かぶのが、検査標章、いわゆる車検のステッカーだろう。
そのほか、定期点検の標章や車庫を証明する保管場所標章、燃費基準、低排出ガスのステッカーもあるが、どのステッカーも貼っていないと違反になるのだろうか?
そこで、本稿では必ず貼らなければいけないステッカーと、そうでないステッカーを分類。
実は明確な罰則規定のないものも存在するが、すべてのステッカーにはそれぞれの持つ意味や役割があるので確実に貼付してほしい。
文/野里卓也
写真/ベストカーWEB編集部
検査標章(車検)のステッカー/×貼らないと違反
検査標章とは、いわゆる車検のステッカー。これを貼っていないと50万円以下の罰金刑が科せられる。
さらにシールを貼る位置もフロントガラス内側前方の見やすい位置に張り付けなくてはいけないとされている。
その目的としてオーナーに対して検査の有効期間を示すためと、街中で取り締まりをおこなう時の確認のためという、いずれの理由がある。よって、剥がしてしまうと検挙されてしまうのだ。
車検は法律で定められているのはご存じのとおりで、一定期間毎に検査を受けなければならない。
そのため、車検が切れたのを無視して公道を走行していると、重大な違反となり一発免停となる!(違反点数6点)。このように車検というのは重要な事柄なのだ。
ちなみに車検を通してもステッカーが間に合わない場合は、暫定的に保安基準適合標章を貼る場合がある。その場合は検挙されることはない。
しかし、期限が15日間と短いので、車検ステッカーが到着次第、張り替える必要がある。
それともうひとつ、検査標章は有効期間を和暦年と月の両方で表示しているが、平成29年1月から始まった現行の検査標章では年ごとに「年」の表示位置が変わるようになった。
例を挙げると令和2年では左下に、令和3年では左上と、年表示のみ時計回りに変化したことで、車検の満了年がひと目で分かりやすくなっている。
ステッカー自体のサイズは変わらないものの、従来のものにあった5mmの透明部分がなくなり、4cm×4cmのサイズ一杯に記載されるようになっている。これにより、外部から目視した時の車検の有無の確認がより容易になったというわけだ。
軽自動車用の車検ステッカーは、色が黄色。その他のデザインや記載内容については、普通自動車と変わりない。サイズも同じく4cm×4cmの正方形で従来の透明枠もなくなっている。
定期点検標章のステッカー/△貼らなくてもいいが期日が過ぎたステッカーを張っていると違反
上記の自動車検査標章が正方形のステッカーであるのに対し、こちらは円形で昔、家にあった黒電話のようなダイヤルタイプのステッカーだ。これは貼らなくても問題はない。しかし、なぜ三角にしたのかは後述する。
12カ月毎に必要な定期点検を実施した場合に貼られるのだが、次の定期点検の時期を表示しており、車外から見ると中央の数字が年(和暦)で、周囲の数字が月を表している。
車内から見ると定期点検を実施した年月日のほか、点検をおこなった工場の認証番号、工場名などが記載されている。
さて、このステッカー、実は貼っていると逆に違反となる場合がある。それは定期点検の期日を過ぎたまま貼っていると保安基準違反となるのだ。ステッカーの裏側にちゃんと警告文が記載されているので該当する人は注意してほしい。