日産のコンパクトカーはノートしかない
一方、ノートは事情がまったく違う。安全装備を含めた設計の新しさという意味で、購入に値する日産のコンパクトカーが今ではノートに限られるからだ。
キューブとマーチは設計が古く、衝突被害軽減ブレーキ(緊急自動ブレーキ)も採用していない。マーチは一時的に販売を中止して、改良を加えた後に復活するようだが、キューブは2019年末で販売終了となる。
ジュークは売れ筋カテゴリーのコンパクトSUVだが、海外で新型車を発売しながら、日本では旧型を売り続ける。セダンのシルフィは現行型で3ナンバー車になり、衝突被害軽減ブレーキも装着していない。
このような具合だから、カテゴリーを問わず比較的ボディのコンパクトな日産車を選ぼうとすると、ノートに限られるのが実情だ。
その結果、e-POWERの設定もあって堅調に売れている。2019年10月の突発的なマイナス46%は台風などの影響によるもので、今後は売れ行きが再び戻る。そうしないと日産の国内販売会社も成り立たない。
ノートの2019年度上半期における小型/普通車の販売ランキング順位は、プリウスに続いて2位であった。
しかしメーカー別の順位は、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位だ。デイズ+同ルークス+ノート+セレナの販売台数を合計すると、2019年度上半期における日産車全体の67%に達した。
このように少数の売れ筋車種に依存する売り方は危うい。2019年10月にはノートに加えてセレナの対前年比もマイナス32.7%になり、日産全体では約30%の減少になった。日産の場合、ユーザーと販売会社の両方にとって、安定して販売できる新型車が求められている。
新型ノートは2020年夏発表!
現行のノートは2012年のデビューだから、2019年の段階で7年が経過する。この7年で最も大きなトピックが2016年のe-POWERの追加で、このe-POWERがベストセラーの立役者になった。
気になるのは新型ノート。現在入ってきている情報をまとめると、新型ノートはスライドドアを新たに採用し、リアシートの乗降性の利便性を高めているという。
スライドドアの採用により開口部が広くなるだけでなく、サイドシルの高さも低くすることができバリアフリーという点でも大きな魅力となるはずだ。
もちろん、新型ノートはe-POWERという飛び道具でさらに魅力を高め、コンパクトカーとして質実剛健なまでの快適性、使い勝手を追求してくる。
新型ノートの発表は2020年夏と予想されている。
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ノート、アクア、いずれも新型の登場が噂される、末期モデルながら、これだけ売れ続けているのは凄いと言わざるを得ない。
2019年1~10月の累計販売台数を見ると、プリウスがトップで、10万9646台(対前年同月比110.0%)。2位はノートで10万5742台(対前年同月比89.1%)、3位は8万336台(対前年同月比84.0%)でアクアだった。このままあと2カ月でどうなるかわからないが、2019年新車販売ナンバー1の座はノートとプリウスの一騎打ちになりそうである。
ノートの新型は2020年夏、アクアの新型は2020年12月発表、2021年2月発売と予想されている。今後はさらに落ち込みが予想されるが、販売台数を注意深く見守ってきたい。
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