タフ&ジェントルな特徴を磨き上げた7人乗りの3列シートSUV、ヴァンガード! こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】

280馬力のハイパワーを武器に力強い走りを味わわせる

 当時からプレミアムSUVといえば、ゆとりの動力性能や優れた操縦性がもたらす走りのよさを特徴としていた。ヴァンガードも多分に漏れず「操る歓びを体感できる」ことを追求し、走行性能についても磨き上げている。

 パワートレインは3.5L V6エンジンを搭載し、トランスミッションは5速ATの組み合わせとなる。3.5Lエンジンの動力性能は、最高出力が280ps、最大トルク35.1kgmで、全長4570mm、全幅1855mm、車両重量1700kgというボディに対して十分な能力で、力強い加速と余裕ある走りが味わえた。

 2.4L直4エンジンも用意されていたが、こちらは扱いやすさが重視され、スムースな走りと12.6km/L(10・15モード)というSUVにしては低燃費であることをセールスポイントとしていた。

 シティSUV然としたスタイルだが、悪路への対応力もしっかりと追求されている。駆動方式は4WD(のちにFFも追加)だが、車速や路面状態など、走行状況に応じて最適なトルクを前後輪に配分するアクティブトルクコントロール4WDと駆動力/ステアリング/ブレーキを協調制御する「S-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御」を全車に標準装備した。

 このシステムによって路面状態を選ばない安定した走りを実現していた。さらに、3.5L車には4WD LOCKモードが採用され、後輪への駆動力配分を最大化することで、ぬかるみからの脱出や悪路や不整地での高い走破性が追求されていた。

大きめのウインドウが優れた視界と運転しやすさを演出。サイドまでまわり込んだバンパーの造形によって安定感が表現されている
大きめのウインドウが優れた視界と運転しやすさを演出。サイドまでまわり込んだバンパーの造形によって安定感が表現されている

 流行りの都会派SUVで、多人数乗車や多彩なシートアレンジなどミニバン的な便利さを持ち、個性的なスタイル、ゆとりの走行性能を実現している点が高く評価され、発売開始から1カ月で、月販目標台数の3倍を超える約8000台の受注を獲得。2008年には2.4Lエンジン搭載車にFF仕様を追加設定してラインアップの充実を図っている。

 「Active & Luxury」という狙いは広く浸透し、トヨタのSUVラインナップのなかでは18か月連続で月間最多登録台数を記録するなど、最も売れていた車種だった。

 後継モデルは存在しないが、ヴァンガードが打ち出した高級ミディアムSUVの資質や特徴は、3代目ハリアーやC-HR、国内市場に復活したRAV4といったクロスオーバーSUVに受け継がれている。

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