リッター109.6馬力/パルサーVZ-R
■1997年9月 SR16VE型1.6L直4:175ps/16.5kgm(VZ-R)、200ps/18.5kgm(VZ-R N1)※N1はリッター125.3馬力
初代は1978年に登場した日産パルサー。その4代目のホットモデルは世界ラリー選手権への参戦を前提とした2Lターボの「GTI-R」だったが、1995年発売の5代目パルサーでは、1997年9月のマイナーチェンジ時に追加されたNAの1.6Lで175psという「VZ-R」が最強グレードの座についた。
ホンダVTECや三菱MIVECと同様、可変バルブタイミング&リフト機構「NEO VVL」を採用したリッター100ps超えNAエンジンであるSR16VEは、最高出力175psの標準型(通称青ヘッド)と、耐久レースへの参戦を視野に最高出力200psまでファインチューニングされたN1(通称赤ヘッド)に大別される。
青ヘッドを搭載した通常のVZ-Rも十分以上に「速い!」と感じられる一台だったが、N1耐久(スーパー耐久)に向けてオーテックが作った赤ヘッド搭載マシン「VZ-R N1」はさらに格別。
こちらのエンジンには専用のシリンダーヘッドが採用され、クランクシャフトとフライホイールのバランス取りが行われるとともに、ポートおよび燃焼室、吸排気マニフォールドの研磨などが行われた。
しかし今からパルサーVZ-Rの中古車を買うのは困難で、2020年2月中旬現在、流通量は全国でわずか1台。
5代目パルサーの3ドアハッチバック版であるパルサーセリエの1997年式VZ-Rのみが、車両本体価格59.8万円で販売されている。
残念ながらレースシーンにおいてシビックタイプRを打ち負かすことはできなかったことも影響しているのだろう。そのマイナーすぎる運命に憂いを感じずにいられない。
リッター116.0馬力/初代シビックタイプR(EK9型)
■1997年8月~2001年12月 B16B型1.6L、直4VTEC:185ps/16.3kgm
「リッター100馬力超えのNA車たち」というテーマにおいては、ホンダのシビックタイプRを外すわけにはいくまい。なかでも歴代シビックタイプRのなかで、最強は、やはりテンロクの初代シビックタイプRではないだろうか。
当時の新車価格を見て驚いた。なんと199万8000円(消費税別)なのだ。500万円近い5代目シビックタイプRの価格を考えると隔世の感がある。
1997年に登場した初代シビックタイプR(EK9)は最高出力185psのB16B型 1.6L 直4 DOHC VTECを搭載し、2001年登場の2代目(EP3)はK20A型 2L 直4 DOHC i-VTECをタイプR向けにチューンした「R-spec」を搭載。こちらの最高出力は215psであった。
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