ダイレクトな応答レスポンスと高回転まで気持ちよく回るエンジンフィール、そして官能的なエキゾーストノート……。
そう、かつては存在していた、リッター100馬力を超えるNA(Natural AspirationもしくはNormal Aspiration=自然吸気エンジン)エンジン搭載車たち。
惜しくも、現代の燃費や排ガス性能が厳しい環境のなかでは生き残れなかったが、アクセルを踏んだだけで幸せな気分になれたクルマは今となっては懐かしい。
そこで本企画では、おそらくもう発売することは難しいであろう、リッター100馬力超えのNA車たちはどんなクルマだったのか? 今買うとしたらいくらで買えるのか?
文/伊達軍曹
写真/トヨタ 日産 ホンダ 三菱 ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】リッター100馬力を超えた今買うべきクルマの詳細写真
リッター125.2馬力/ホンダS2000
■1999年4月~2005年11月(F20C型)2L、直4:250ps/22.2kgm
■2005年11月~2009年8月(F22C型)2.2L、直4:242ps/22.5kgm。こちらはリッター112.2馬力
ホンダ S2000は、ホンダ車としてはS800以来29年ぶりに復活したFRレイアウトの2シーターオープンスポーツ。
前期型に縦置されたエンジンは、リッターあたり125.2psというほぼレーシングエンジン並みの出力をマークする専用設計の2L、直4DOHC VTEC「F20C」。
市販量産車用エンジンであるにもかかわらずレブリミットが9000rpmという超高回転で、エンジンを構成する各部品にも、小型軽量化をしながら強度を保つためにさまざまな新技術が投入された。
F20Cエンジンは2005年のマイナーチェンジで2Lから2.2Lに拡大。同時にスロットル制御にDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用し、ギアレシオをローギアード化して加速性能の向上を図るなどの改良も行われた。
2.2L版のレブリミットは8000rpmまで落とされたものの、「すべてのフィールがほぼレーシングエンジン」というS2000ならではの魅力は健在。その中古車は、販売終了から10年以上が経過した今もなお高値で取引されている。
具体的には、S2000全体の相場は約120万~約700万円で、平均価格はおおむね250万円といったところ。排気量別に見ると2L版が約120万~約500万円で、2.2L版が約170万~約700万円となっている。
コメント
コメントの使い方