ベースグレードでもいいクルマはどれかを考える。それが「素うどん」的クルマ考。
クルマの進化に伴って、いわゆる「美味しい素うどん的クルマ」はどうしても数を減らしてしまった。
ここでは、そんな素うどんカーがその数を減らしてしまった背景を振り返り、その上でかつての名「素うどんカー」たち、そしてさらに令和時代期待の素うどんカーたちをご紹介してゆきたい。
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※本稿は2020年2月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年3月10日号
■日本車の歴史は『美味しい素うどん的クルマ』の歴史
ベーシックモデルや、ちょっと上級モデルのベーシックグレードといっても、今のクルマは基本的にはパワステ、パワーウィンドウは当たり前。
●初代ヴィッツ
エアコンも標準装備だし、ABSの付いていないクルマを探すほうが難しい。
トランスミッションも2ペダルATがほとんどで、3ペダルのマニュアルトランスミッション車は貴重な存在だ。
これら充実した装備に加え、衝突安全ボディや運転支援メカの搭載などにより、クルマ自体が重たくなっている。
●マーチスーパーターボ
この「重い」というのが昔の「素うどんグルマ」の魅力でもあった、軽さが生み出す、質素なんだけど走って楽しいって感覚を失わせているのだ。
1980年代、FFになったスターレット。
●EP71スターレットSi
EP71型には『カッ飛びスターレット』と呼ばれたターボモデルがあり、これがリトルギャング的魅力を醸し出していたのだが、実は1.3L Nエンジンを積んだSiが楽しかった。
エンジンは特にパワフルでもなんでもない、ファミリーカーのエンジンなんだけど、750kg程度の車重だったから、シュンシュンキビキビ走ったものだ。
今でも人気のAE86型レビン/トレノは最もスポーティなグレードとしてGTVが設定されていた。
●AE86レビン/トレノGT
人気があったのは最上級のGTアペックスだったが、ツウは最廉価の「GT」を選んだ。
競技車両のベースモデルという性格が強かったため、装備は質素でリアブレーキもAE86では唯一のドラム式。
2ドアクーペボディはGTVのリフトバックよりもボディ剛性に優れるなどのメリットもあった。
スカイラインは直6、2Lエンジンを搭載する「GT」こそがその存在意義であるかのように言われているが、5代目C210型までは4気筒エンジン搭載モデルはフロントノーズが短く、ショートホイールベースだった。
●C210型スカイラインTI
軽い4気筒エンジンにショートホイールベースでハンドリングはむしろ6気筒のGTよりも軽快で、狭い山道などではキビキビ走った。
好んで4気筒スカイラインを選ぶユーザーもいたのだ。
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