日本に流通しているフィガロの中古車は47台
さて、発売から約29年が経過したフィガロの中古車事情は一体どうなっているのだろうか。現在、中古車の流通台数は47台。3カ月前の時点では60台だったので、4分の3に減ってしまった。
また、中古車の平均走行距離は3カ月前が約11万7000kmで、3月末までは横這いだったのだが、4月に入ると走行距離が減って、約11万3000kmとなってしまった。
その動きにリンクして、平均価格は3カ月前の約97万円から現在は約103万円まで値上がりしている。
この値上がりの要因は走行距離の延びた価格の安い中古車が市場から姿を消したことによるものと考えられる。
ちなみに2010年頃、10年前のフィガロの中古車の平均価格は約44.6万円。ほとんどが50万円以下となっていた。
3カ月という短期的には値上がり傾向となっているフィガロだが、もっとスパンを長くして1年での平均価格の推移を見てみると、1年前の時点の平均価格が約103万円で、その後2019年8月に最高値の約121万円まで上昇。
そして2019年10月には最安値の約96.8万円まで値落ちし、その後は横這いとなっていたのだ。
しかし、2020年4月に入り再び値上がり傾向となっている。ちょうど1年前の春から夏にかけて値上がり傾向となったので、今年も今後値上がり傾向となる可能性は高い。それはフィガロがオープンカーなので、季節的要因も多いに考えられるからだ。
現在、約47台流通しているフィガロの中古車だが、価格帯は約35万~約360万円となっている。
最高値の360万円という中古車の走行距離はなんと9000km、修復歴なしという奇跡の物件だ。その中古車を除けば、上限は約170万円となる。
フィガロの中古車はハッキリとした傾向が価格に出ていて、だいたい70万円以下の中古車は現状販売。
70万円以上特に100万円以上の中古車は塗装や幌などに手を加えたレストアした中古車となっているのだ。
すでに販売開始から約29年経っているクルマだけに、安く手に入れて、自分でメンテンスしていくパターンか。
それとも外観や内装、エンジンなどもレストア済で車両本体価格は高くなるが、購入後はそれほど費用が掛からないという2つのパターンを購入時に選ぶことになるのだ。
福岡にあるHAPPY DRIVEはパオ・フィガロを専門に扱う中古車販売店だ。現在このショップには5台のフィガロが展示されているが、すべて価格は149万円となっている。
その理由はすべてレストア済の中古車だからだ。フィガロのウィークポイントを知っている専門店らしくホームページにはエンジンマウントの交換をはじめ、エンジンのヘッドガスケットやウォーターポンプ、ショックアブソーバの交換、内装のクリーニング、そしてボディの再塗装、オープンピラートップの張り替えなどを行い、クルマを仕上げている。
ここまでレストアしてあれば、元々の走行距離などはそれほど気にしなくても良いだろうし、やはり専門医がしっかりとチェックしていることを考えれば、この価格でも決して高くはない。
HAPPY DRIVEの川岸景作さんにフィガロの状況について聞いた。
「弊社は専門店を始めて17年経ちますが、フィガロの価格は毎年上昇しております。海外での需要人気が高まり、弊社にもインスタグラムなどより、部品や車両の輸出等のお問い合わせが増えてきています。
レストアの技術を日々アップデートし、お客様の満足いくクルマの提供に邁進しております。
現在、部品の供給や高騰により、弊社で外装再塗装、錆などのレストア、内装の張り替え(オプション)などを含めた場合には、200万~250万円で制作させて頂いております。外装再塗装・内装もほぼ張替えで、シート全席からフロアーカーペット張替施工までしております。
制作期間はオーダーにもよりますが、2カ月から半年かかります。現在、在庫情報に記載前に売約になる状態で、お客様にはベース車を選んで頂き、オーダー受注させて頂いております」とのこと。
レストアするベース車が減少していると今後はこうしたレストア済み車両の価格も十分高騰する可能性は高い。
フィガロの中古車は減少したことで、中古車相場は値上がりし始めている。今後はさらに上昇する可能性が高いので、オシャレなフィガロに手軽に乗りたいならば、今が、最後のチャンスになるかもしれない。
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