もはや生存車なし!? 絶滅危惧車「シャレード・デ・トマソ」を探せ!

シャレード・デ・トマソオーナーを発見!

ケンズィさんが所有する初代シャレード・デ・トマソターボ。実はこの車両、某イベントにて貸し出して展示されていたこともあるという。ラジオアンテナとマーシャルのフォグランプはオーナーによって変更されている
ケンズィさんが所有する初代シャレード・デ・トマソターボ。実はこの車両、某イベントにて貸し出して展示されていたこともあるという。ラジオアンテナとマーシャルのフォグランプはオーナーによって変更されている
エクステリアはフロントからサイド、リアまで一体となったエアロパーツを装着
エクステリアはフロントからサイド、リアまで一体となったエアロパーツを装着

 さて、本題に戻ろう。1週間粘り強く探してみた結果、なんと九州地方に住むシャレード・デ・トマソオーナーを発見! 

 ようやく探し当てた初代シャレード デ・トマソターボのオーナーがケンズィさんだ。さっそく、購入の経緯などを聞いてみた。

 「親戚づきあいで親父がダイハツ車を乗り継いでいたこともあり、知らず知らずのうちにダイハツ贔屓になっていました。

 中学生だった当時、CMを見たことがきっかけで2代目シャレードが好きになり(今でも欲しい)、後から登場したデ・トマソターボのトータルコーディネートされたスタイルに恋をしました。

 免許を取得してしばらくは、新車を乗り継いでいましたが、ここ何年か魅力的なクルマが発売されないので、だんだん昔から欲しかったクルマに目がいくようになりました。そう、初代シャレード・デ・トマソです。

 そんな折、たまたま近所に動態保存中のオーナーを見つけ、とりあえず見たいとアポを入れたのです。外観はボロかったのですが、機関はシッカリしていたので譲って欲しいと……。オーナーにもその熱い思いが伝わり、2017年にデ・トマソターボを購入することができました。長年の夢がかないました」。

 ケンズィさんの熱い思いが伝わってよかったですね。ちなみに純正部品がほぼないので、他車の部品を流用しながら大事に乗っているそうです。いつまでも大事にして欲しいですね!

インパネ上部の4連メーターとコンソール下には2DINサイズのカーAVをインストールするためオーナーに手によって自作されている。また、ピラーにはFRPでカバーを製作、ついでにツィーターを埋め込んで、リアスピーカーも変更が加えられている
インパネ上部の4連メーターとコンソール下には2DINサイズのカーAVをインストールするためオーナーに手によって自作されている。また、ピラーにはFRPでカバーを製作、ついでにツィーターを埋め込んで、リアスピーカーも変更が加えられている
80ps/12.0kgmを発生する993㏄、直3ターボエンジン。オーナーの手によってタワーバーが装着されプラグコードも変更。実は経年でブレーキマスターバックが故障となり、現在は他社の軽自動車用マスターバックとシリンダーを合体(ニコイチ)にして流用しているという
80ps/12.0kgmを発生する993㏄、直3ターボエンジン。オーナーの手によってタワーバーが装着されプラグコードも変更。実は経年でブレーキマスターバックが故障となり、現在は他社の軽自動車用マスターバックとシリンダーを合体(ニコイチ)にして流用しているという

■オーナー紹介
●氏名:ケンズィさん
●年齢/職業:50歳/会社員
●年式:1984年式
●購入金額/購入した年:ヒミツ/中古で2017年購入
●購入動機:少年の頃からずっと好きだった前期デ・トマソ。残っていることが奇跡? それをたまたま同一県内で発見できたので、これを逃せば二度とチャンスは巡ってこないと譲渡を頼み込みました
●維持費用:年間20万円くらい?(内訳は燃料や消耗品や税金に車検など)
●愛車の魅力:クルマとして過不足の無い丁度いいバランス
●購入時に考えたライバル車は?:なし
●愛車の○と×:○/よく走るし疲れない。コンパクトなのに充分過ぎる室内スペース!加えて硬すぎず柔すぎずストロークも充分なサスペンション!軽いボディと望むに充分なパワーとトルク! すべてが必要充分で、運転していて一切のストレスを感じない。×/特になし
●所有して困っていること。パーツの問題など:特にないけど、できればドナーが欲しいです(笑)

白いデ・トマソ・ビアンカを知っているか?

びあんかさんが所有するシャレード・デ・トマソ・ビアンカは購入してから35年、走行距離は42万km! ボディカラーはホワイトとシルバーメタリックのツートンカラーだが、バンパーを含めたエアロパーツとホイールはシルバーメタリックで統一
びあんかさんが所有するシャレード・デ・トマソ・ビアンカは購入してから35年、走行距離は42万km! ボディカラーはホワイトとシルバーメタリックのツートンカラーだが、バンパーを含めたエアロパーツとホイールはシルバーメタリックで統一

 さて、今度はもっとレアなデ・トマソを紹介しよう。1985年6月に600台限定で発売された、シャレード デ・トマソターボ・ビアンカだ。

 イタリア語で“白”を意味するビアンカのとおり、白を基調としており、ボディカラーはホワイトとシルバーメタリックのツートン塗装が専用色となっている。

 もちろんデ・トマソターボ同様に内外装は特別な装備が与えられており、個性溢れる仕様となっているのだ。

 このデ・トマソ・ビアンカのオーナーさんも見つかった。前出のケンズィさんに紹介してもらったのだ。

 びあんかさんは、このデ・トマソ・ビアンカを購入してからなんと35年、42万kmも走行しているそうだ。

 前述のケンズィさんと同様にマスターバックを流用部品と替え発電機も交換と、部品の調達に苦労しながらもシャレードオーナーたちに助けられているという。

 今はエンジン不調で工場に入院中とのことだが、仲間達に支えながら復活を目指しているそうだ。シャレード・デ・トマソ愛には感服するばかりだ。

グリルやドアミラー、それにリアライセンスプレート回りはホワイトカラーとなっており、全体をホワイトとシルバーで統一
グリルやドアミラー、それにリアライセンスプレート回りはホワイトカラーとなっており、全体をホワイトとシルバーで統一
驚くなかれ! ビアンカは車内の天井内張りにイタリアの道路地図が描かれているのだ! DETOMASO本社の所在地まで描かれており、遊び心のある演出がなんともユニーク
驚くなかれ! ビアンカは車内の天井内張りにイタリアの道路地図が描かれているのだ! DETOMASO本社の所在地まで描かれており、遊び心のある演出がなんともユニーク

■オーナー紹介
●氏名: びあんかさん
●年齢/職業:57歳/自動車教習所職員(教習指導員・技能検定員)
●年式:1985年式、G11-FMJT、デ・トマソ初の限定車 ビアンカ
●購入金額:新車で購入。車両本体価格130万円+エアコン(当時は後付け)+登録諸費用など
●購入動機:兵庫ダイハツ販売に入社。自社車両に乗り替える必要があったため、会社が薦める軽自動車やディーゼル車ではなく、ガソリンターボのデ・トマソを検討中に限定車が発売されることになり、いかついイメージを払拭した白とシルバーのツートンカラーが美しくショールームに入ってきたクルマにひと目惚れ
●維持費用:計りしれません……
●愛車の魅力:全国限定600台。内装の色合いもイタリアのこだわりも、嫌みがない。操作性も癖が無く扱いやすい。何より美しかった
●購入時に考えたライバル車は?:MR2(AW11)やカローラレビンGTV(AE86)が発売になった頃、試乗したけれど……
●愛車の○と×:自分にとっては全てが◎
●所有して困っていること:所有から35年、現在42万km。さすがにあちこち部品が寿命迎えています。2020年3月、ついにエンジン本体が静かに悲鳴をあげ停止、部品はすぐには見つからない状況です

 先に紹介したケンズィさんと「師匠」と呼ばれる方の力添えで、部品は現在調達中とのことでした。

■シャレード・デ・トマソターボ 1984年1月発売
●全長×全幅×全高:3600×1575×1390mm
●ホイールベース:2320mm
●トレッド(前/後):1340/1310mm 
●最小回転半径:4.4m
●車両重量:690kg 
●エンジン:水冷4サイクル直列3気筒SOHC
●総排気量:993cc 
●最高出力:80ps/5500rpm
●最大トルク:12.0kgm/3500rpm 
●10モード燃費:18.8km/L 
●タイヤサイズ(前/後):165/65R14 
●車両価格:122.4万円(大阪地区の販売価格/当時)

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