日本初のV6エンジン搭載
これに続くY30型セドリック/グロリアではメカニズムを一新し、新しい領域に踏み込んでいる。
パワーユニットは日本初のV型6気筒SOHCが主役だ。ターボや4速ATも設定し、1985年には時代の先端を行くジェットターボも投入した。
また、フロントサスペンションもストラットに変更している。快適装備も世界初の雨滴感応式間欠ワイパーやカラオケ機能付きオーディオを奢った。
スポーツ性を押し出したグランツーリスモ登場
1987年6月に登場したY31型セドリック/グロリアでは設計コンセプトまでも変えている。その代表が、パーソナルを求めるファンに的を絞った「グランツーリスモ」シリーズの設定だ。
主役は新開発のV型6気筒DOHC4バルブターボで、最新の電子制御5速ATも用意した。サスペンションはリアをセミトレーリングアームとした4輪独立懸架で、先進的な電子制御エアサスペンションも設定する。
ブレーキは4輪ディスク、ステアリングギア型式はプレステージセダンとしては異例のラック&ピニオン式だ。
セドリック/グロリアはプレステージセダンの世界に、気持ちいいハンドリングを持ち込み、クラウンとの違いを明確にした。
このY31は第2期のセドリック/グロリアの全盛期と言えるだろう。このころから、高級志向のセドリック、走りのグロリアというイメージが定着。
若さを前面に押し出したY31のヒットにより、次のY32型セドリックとグロリアからは4ドアハードトップだけが定期的に進化を続けるようになる。
ブロアム/クラシック系は角形ヘッドライトだが、グランツーリスモはヘッドライトも個性的な丸形4灯式だ。リアサスペンションもマルチリンクとなり、スーパーハイキャスも装備するから意のままの機敏な走りを手に入れた。
2004年に栄光の車名が消滅
1999年に登場し、最後の作品となったY34型セドリック/グロリアは、面の美しさを際立たせたデザインを採用する。
新設計プラットフォームを採用し、V型6気筒DOHCは直噴エンジンだ。最大のハイライトは、世界初のトロイダル無段変速機、エクストロイドCVTを用意していたことである。滑らかに力強い加速を披露し、燃費もいい。
が、ゴーン体制になり、フーガが登場。2004年、セドリック/グロリアは惜しまれつつ長い歴史に幕を閉じた。
独自路線を貫き、メーカーのプライドを背負って積極的に新しいメカニズムを採用して日本ならではの高級セダン像に挑んだのがセドリックとグロリアである。
日本の風土に根ざしたプレステージセダンとして、クラウンと競い合いながら成長してきた。フーガが登場した今もセドリックとグロリアの栄光は色褪せていない。
コメント
コメントの使い方最後のセドリック(Y34型)の最終記念型を乗り続けています。
後継機種は全く乗る気にならないゴミ車種だと思う。優雅なセドリックとは比較にならない凡庸な顔つきですね。ゴーンの失敗車です。ゴーンはGTRを復活させる良い面もあったが、優雅なセドリックを止めた欠点もある。もう日産は優雅な車を作れなくなったのかな?悲しいね。