シビック、スカイライン…1960~1970年代を駆け抜けた傑作国産車たち

【番外コラム/1960年代編】編集部が選ぶもう1台 ホンダ S600(1964年)

 606ccの直4、DOHCエンジンは、9500回転からがレッドゾーンという超高回転型(出力は57ps/5.2kgm)。最高速は145km/h。

ホンダ S600(1964年)

■美しいクーペに革新的なベーシックカーが登場!!! 1970年代の国産車たち

 1970年代になると高性能エンジンを積み、スタイリッシュなクーペボディをまとった「GT」が一気に増えた。その代表が、1970年秋に登場したトヨタのセリカと三菱のギャランGTOである。両車ともスペシャルティカーという新しいジャンルを確立した記念すべき作品で、東京モーターショーで見上げた時に思わず感嘆の声をあげた。

トヨタ 初代セリカ(1970年)…エンジンやミッション、内装などを自由に選べるフルチョイスシステムで販売された(1600GTは除外)。1973年にリフトバックが導入され、クーペには2Lエンジンが設定された
三菱 ギャランGTO(1970年)…なんといっても、とても全幅=1580mmとは思えない精悍なルックスが魅力。10月の発売開始時は全車SOHCエンジンだったが、12月に登場したイメージリーダーのMRはDOHCを搭載していた

 セリカは美しさがわかりやすい端正なノッチバックの2ドアクーペでスタートし、1973年にファストバックの流麗なリフトバックを加えている。デビュー時のフラッグシップは1600GTだ。OHVが一般的な時代に、レーシングエンジンと同じDOHC方式を採用し、高回転まで気持ちよく回ることに感動した。

 ギャランGTOはセダンやハードトップと違う専用のクーペボディをまとっている。ファストバックにダックテールのリアはとくに美しい。最強モデルのMRは、1.6LのDOHCエンジンに5速MTの組み合わせだ。驚くほどパンチがあり、リジッドアクスルのサスペンションでありながらコントローラブルだったことにも感激した。

 1978年に登場したサバンナRX-7にも感動させられた。長いノーズの先端にリトラクタブルヘッドライトを配したのは衝撃だった。3眼メーターの中央にタコメーターを装備したのもマニアック。12A型2ローターエンジンも軽やかに高回転まで回る。レギュラーガソリン仕様だったのにも驚かされた。

マツダ サバンナRX-7(1978年)…573cc×2の12A型ロータリーエンジンは130ps/16.5kgmの出力を発生(NA)。1983年のマイナーチェンジ時に165psを発生するターボモデルが追加された

 ファミリーカーではやはり初代シビックだろう。VWゴルフより早くFFの2ボックスデザインを採用し、CVCCによって難関と言われた北米の排ガス規制を悠々とクリアしている。時代を先取りした傑作ファミリーカーだ。

ホンダ 初代シビック(1972年)…デビュー時は1.2Lエンジンのみだったが、1973年に排ガス浄化技術「CVCC」を採用した1.5Lモデルを追加。第一次オイルショックの影響もあり、このCVCCを搭載したシビックは大ヒットモデルとなる

 47万円の衝撃価格で売り出された軽自動車、初代アルトも忘れてはならない。税制の抜け道を突いた商用ボンネットバンのジャンルを切り開いたことも高く評価できる。日本の景色を変えたベーシックカーと言えるだろう。

スズキ 初代アルト(1979年)…当時のほかの軽乗用車が60万円超の価格設定がされるなか、驚きの47万円の価格で登場。当然、大ヒットし、軽ボンネットバンブームの火付け役となった

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