NXには出せない、RXの優雅な内装
RXとNX、この2台の全幅の差は、インテリアの造形にも影響を与えている。
NXのインテリアは、RXと比較しても、装備面やデザインの面で、決して引けを取っているわけではない。
しかし、NXに対して50ミリも車幅が広いRXは、ダッシュボードやインパネ周りが伸びやかに使え、ナビゲーションモニターやエアコン吹き出し口、シフトノブやドリンクホルダー、コントロールスイッチなどを、ぎっちりとレイアウトする必要がないためか、優雅でおおらかな雰囲気が漂っている。
NXやRXを購入する顧客層は、レクサスブランドが持つ「上質な雰囲気」を求めて、クルマを購入している。しかしNXは、いかに効率的なレイアウトをし、豪華素材を使おうとも、RXの余裕のある雰囲気を出すことはできない。より美しいのはRXのほうであり、レクサスが持つ「高品質感」を求める方には、RXの方がおすすめだろう。
「走り」はどちらも美しい
「走り」に関して、NXとRXはそれぞれ、そのボディサイズを活かした味付けがされており、キャラクターが異なる。
それぞれの特徴を短く語るならば、NXは低い全高やコンパクトなボディを活かした、意のままのハンドリングを目指したスポーティなSUV、RXは大きくワイドなボディを活かして、クルマの動作がゆったりとした上質な乗り心地を狙ったSUV、といった感じだ。
これはもはや、好みの問題であり、どちらがより美しいのかを語るべきではない。しかし、両車ともに共通しているのが、ロードノイズをはじめとした音振性能の高さだ。この音振性能の高さをもたらしているのは、サスペンションチューニングやタイヤ選定、などではなく、ボディの作り方にある。
NXとRXは共に、アンダーフロアで高い剛性を確保した上で、ルーフやセンターピラーを中心に、従来のスポット溶接より細かいピッチで溶接したり、断面変形を抑制する「レーザースクリューウェルディング」や、パネルを面で結合する「構造用接着剤」などの生産技術が採用されており、それによって、車体の剛性向上と、振動の減衰効果が高まっているという。また、アルミニウムや高張力鋼板、ホットスタンプ材などを効果的に使用し、軽量化も実現しているのだ。
その結果、快適性のベースとなるノイズや振動が、まったく気にならないレベルに引き上げられている。もちろん、荒れた路面を走れば、「コー」というロードノイズは聞こえるのだが、騒がしくない音質に聞こえる。吸音材や遮音材といった音対策では、あれほどの音振レベルはなかなか達成できない。
上質な乗り心地を追求しながら、ドライバーの手足のように操作できるリニアなステアリングフィールと、正確なライントレース性をもつRXとNX。どちらを購入しても、その走りは美しく、満足できるに違いない。
RX・NX、どちらもおススメはハイブリッド
最後に価格を比較しよう。NX300が454.6万円~、NX300h:519万円~、RX300:513万円、RX450h:627万円、RX450hLが796万円。NXとRXの同一グレード比較だと、約60万円もの差がある。
レクサスの美しい世界観を最大限に満喫するには、やはりハイブリッドをお勧めする。そのうえで、日常のクルマとして使い勝手の良さを求めるならばNX、広いインテリアや落ち着いた走りを求めるならばRX、となるだろう。
コメント
コメントの使い方