クルマ版「Uber Eats」ついに首都上陸 「Uber Taxi」ってタクシーと何が違うのか?

手順は単純だが、料金体系は意外と複雑?

到着時間の確認、GPSの位置情報の共有、利用場所の保存機能などの機能に加え、Uberアプリで電話アイコンをタップするだけでドライバーと直接連絡できる「VoIP」(Voice over IP)と呼ばれる機能もアプリに搭載(写真:ウーバージャパン)
到着時間の確認、GPSの位置情報の共有、利用場所の保存機能などの機能に加え、Uberアプリで電話アイコンをタップするだけでドライバーと直接連絡できる「VoIP」(Voice over IP)と呼ばれる機能もアプリに搭載(写真:ウーバージャパン)

 ここからは、日本版ウーバータクシーの具体的なサービスを紹介していこう。

 肝心の運行料金については、各地域のタクシー会社の設定が用いられ、タクシー会社が自社で運営している配車アプリと基本的に変わらない。

 ウーバータクシーが他社の配車アプリと異なるのは、ドライバーの評価機能があることと、配車してもらう車両が選べることだ。

 ただし、本来のライドシェアサービスである海外のウーバーのように、ドライバーを選択できる機能は備えていない。

 日本のウーバータクシーは、迎車(これはタクシー業界の用語であり、本稿では配車に統一する)料金が無料、割増料金の設定がないことを大きな特徴とする。

 ウーバータクシー利用時の支払い方法については、現金での支払いは不可とされ(一部都市は現金支払い可)、利用時の支払い方法はクレジットカード、デビットカードなどを用いての決済となる。

 次にウーバータクシーの利用にかかる費用を確認しておこう。

 まず基本料金は専用アプリで予約を申し込む際に入力する、乗車位置から目的地までの乗車時間と走行距離で決定される。配車サービスについては、基本的に設定した乗車位置に近いタクシー車両がGPSを用いて選択されることになる。

 ウーバータクシーの手数料は、居住地の地域、都市、時間帯など状況によって常に変動している。

 対して、大手タクシー会社が運営するスマートフォンのアプリでタクシーを呼び出す場合には、タクシー会社が定める配車料金は別途必要(およそ300円程度から)になる。

 ウーバータクシーには配車方法によって料金がそれぞれ設定されている。

 標準仕様といえる「タクシー」(費用は配車料金+走行料金)に加え、「プレミアムタクシー」(迎車料金+メーター料金+予約料金500円が必要)、ハイヤー配車サービスとしてセダンと大型ミニバンなどのいわゆる黒塗り車両を指定できる(車両指定料金が必要)「ウーバーブラック」がある。

使う側と使われる側、それぞれのメリットとは?

 このように、日本版は米国で運用されているウーバーのようには利用できないとはいえ、インバウンド需要を見越してウーバータクシーを導入したタクシー事業者も見られる。

 たとえば、来日した海外で日常的に利用しているユーザーであれば、慣れ親しんだフォーマットのアプリを日本でもそのまま利用できるメリットもある。

 日本のウーバータクシーは、配車料金と運行料金は運営されている地方の各タクシー会社で異なるが、なにより到着までの運行料金を事前に見積もることができる。

 利便性でいえば、海外のウーバーのようにタクシードライバーを事前に選ぶことはできないが、海外のウーバー同様に評価・報告できることは大きなユーザーメリットといえる。

 今後は日本の競合するタクシー会社の配車アプリに対して“さらなる違い”をどのように打ち出していくかが課題だろう。

 サービスや料金が原則一律の「護送船団方式」をとる日本のタクシーも(それはそれでメリットはあるのだが)、この黒船来航を機会に、運転手の評価システムを導入するなど、少しずつでもサービス向上に向けて変わってほしいものだ。

2020年5月30日、ウーバージャパンはサービスのパートナーであるフジタクシーグループと協働し、名古屋市内でタクシーによるウーバーイーツのデリバリーを開始した(写真:ウーバージャパン)
2020年5月30日、ウーバージャパンはサービスのパートナーであるフジタクシーグループと協働し、名古屋市内でタクシーによるウーバーイーツのデリバリーを開始した(写真:ウーバージャパン)

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