国産車の世界では、スタイリッシュなスポーツクーペは絶滅寸前になっているが、SUVをスポーティにしたクーペSUVはまったく話は別。
最近ではハリアーの大ヒットが注目を集めたが、そのほかのモデルも全体に売れゆきがよく、通常のSUVを上回るモデルもある。まさかこんな形でクーペが大復活するなんて………。
世界を見渡してみると美しいクーペSUVも多い。そこで、スタイリッシュなクーペSUV選手権と題して、美しいクーペSUVをランキング!
価格差が大きいため、700万円以下と700万円以上の2つのクラスに分けて、モータージャーナリストの清水草一さんに選んでもらった。
文/清水草一
写真/ベストカーweb編集部
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700万円以下で美しいクーペSUVは?
思えば、最初の「いかにもなクーペSUV」は、BMWの初代X6だろうか。その第一印象は「なんて中途半端なクルマなんだ!」だった。
初代X6は、X5を無理に速そうな形に仕立てたただけで、スタイリングがこなれていなかった。あの時は現在のクーペSUVの隆盛なんざ、想像すらしておりませんでした。脱帽。
しかし現在のクーペSUVは、モデル数の激増に歩調を合わせて、デザインの熟成化が進んでいる。多くの通常型SUVが極限まで都会化していることもあって、境界線もあいまいになった。
あえていえば「全高低めで若干スタイリング優先のSUV」くらいのところだ。スポーツクーペと違ってすべて4枚ドアでもあり、実用性も問題なく、「どーせならカッコいいヤツを」くらいの気持ちで選べるのも、躍進の要因になっている。
断然現実的な選択になったクーペSUVだが、そのなかでデザイン的に新鮮かつ優れているのはどのモデルか?
今回はそれを、まったくの私の独断で決定させていただきます。まずは700万円以下のクラスから。
700万円以下クラス第5位:トヨタC-HR
2016年の登場時は、「デザイン優先の思い切ったパッケージング」とか、「ギョッとするようなデザイン」と言われたが、国内でも予想外のヒットとなった。
アニメチックな未来的デザインは、今でもかなりインプレッシブ。なによりフォルムのバランスがいい。
真横から見ると、フロントガラスからリアにかけてのシルエットは実に滑らかで美しい。キュッとすぼまったリアセクションは、まさにクーペSUV。
そのぶん、後席の閉塞感が強めだが、そんなの関係ねえというばかりの潔さだ。
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