MINIクラブマン:使い勝手のいいステーションワゴン
シリーズ初のステーションワゴンで、2007年の第2世代MINIの発売と同時にラインナップしている。クラブマンというのは英国式ステーションワゴンの呼び名でもある。
初代の特徴はドアの開閉方式。5ドアではなく、ボディの右側にのみ観音開きの小さなドアを設けた。フロントドアを開けないと開閉できない方式で、後席への乗降性向上を目的としていた。
リアのバックドアも左右対称の観音開きを採用していた。ボディサイズもホイールベースを3ドアよりも80mm延ばしているが、全幅は1.7m以内に収まっていた。
現行モデルは2013年にデビューした3世代目で、ドアはノーマルの4ドア+リア観音開きになった。同時にボディも3ナンバーサイズに拡大された。
2019年のビッグマイナーチェンジで安全装備を含め上級志向のモデルに格上げされている。販売比率は、MINI全体の約2割を占めている。
MINIクロスオーバー/もはやMINIではない大きさ
2010年に日本デビューした時には「もうMINIではない」といわれたニューモデル。ボディは3ドアより365mm長い全長4315mm、全幅は1820mm、全高も1595mmとシリーズ初の3ナンバー車で、4WDも設定された。
最新モデルは2020年9月にフェイスリフトし、全車8速ATやデジタルメーターを標準装備した。
パワーユニットでは電気での走行も可能な、充電もできるプラグインハイブリッドもラインナップしている。クロスオーバーの販売比率は全体の約2割だ。
ジョン・クーパー・ワークス(JCW):MINIブランド最強のスポーツモデル
MINIといえばミニクーパーと呼ぶ人が多いほどにクーパーはポピュラーな名称。ラリードライバーで、マシン開発も行っていたジョン・クーパーの名が冠されたチューニングカーがジョン・クーパー・ワークスだ。
MINIでは初代の2006年にJCW GPキットという世界限定モデルを手掛けたのがはじまり。現在、MINIのJCWモデルは、3ドアハッチバックのほかにコンバーチブル、クロスオーバー、クラブマンの4車種にラインナップしている。
試乗して強く記憶に残っているのはミニクラブマンJCW。2L、直4ターボを一気に95psもアップし、300ps超えの306psに。トルクも100Nmアップし450Nmとした。
駆動方式は4WDの「ALL4」。トランスミッションは8速AT。従来の電子制御LSDに加え、機械式のトルセンLSDを前輪に装着されている。
走りはコーナーを立ち上がり、次のコーナーまでの加速していくと、コーナーギリギリでも安定した減速。ハンドルを切りこんでいくと、機械式LSDが働き、コーナーのイン側をトレースしていく。
やや重めの操舵力と戦いながらの走りは、ニューMINIが初期からキャッチフレーズにしていた「ゴーカートフィーリング」以上。車速も迫力もフォーミュラマシンに近かった。
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このようにMINIは1ブランドで多彩な車種展開を行っている。これが登録台数NO.1の理由であり販売増のポイントでもある。
もちろん、ゴーカートフィーリングのキビキビとした走りやデザインセンスのいいインパネ、扱いやすいコンパクトなサイズ、そしてクオリティの高さといった要素も売れている理由だ。
さらに各モデルにMTを設定したり、クリーンディーゼルエンジンやプラグインハイブリッドを用意するなどユーザーへの細かい品揃えを行う努力をしていることも人気の秘密なのだ。
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