トヨタ新型シエナ正式発売!! やっぱりこれ日本で売って!! 全情報

新型シエナってどんなクルマ?

フロントマスクのデザインは日本の新幹線をイメージしたという
フロントマスクのデザインは日本の新幹線をイメージしたという

 新型シエナは全長5169mm×全幅1994mm×全高1740mm(1770mm、ルーフレールを含む)、ホイールベース3061mmというアメリカらしい巨大なボディサイズを持つ大型ミニバンだ。

 クルマの土台となるプラットホームは前述したようにエンジン横置きFFを基本とするカムリのもの。つまり日本で販売されるトヨタ車ではRAV4やハリアーにも使われるTNGA-Kプラットホームを採用している。

 TNGA-Kプラットホームが巨大なシエナにも対応することは、アメリカなどで販売される大型SUVのハイランダー(日本ではかつてのクルーガー。現在はRAV4を大幅に拡大し、8人乗り3列シートとしたモデル)もTNGA-Kプラットホームを使っているのを見るとなんとなく理解できる。

 改めてTNGA-Kプラットホームの拡張性の広さを再認識する。ちなみにデザイン、開発、生産がすべてアメリカで行われている。

 新型シエナのエクステリアから見ていくと、日本の新幹線をヒントにしたというフロントマスクや、抑揚あるサイドビューが大きな特徴となっており、全幅と全高の関係もあり、ミニバンながら乗用車的だ。

大型のセンターコンソールとインパネ中央に配置された大型ディスプレイが特徴
大型のセンターコンソールとインパネ中央に配置された大型ディスプレイが特徴

 一方、インテリアを前席から見ていくと、全グレードハイブリッドということもあり、センターコンソール下部にはアルファードハイブリッドのように駆動用バッテリーが置かれ、センターコンソールには大きな収納スペースも配置されている。

 2列目シートは下位グレードには中央席が補助席的で、左右席がキャプテンシート的なものとなる3人がけ仕様も設定されるが、伸ばした足を支えるオットマンとスーパーロングスライドモードを備えた2人ぶんが独立したキャプテンシートが中心だ。

 3列目シートは3人掛けのベンチシートとなっており、乗車定員は2列目3人がけが8人、2列目キャプテンシートが7人となり、ボディサイズが大きいこともあり、フル乗車でも快適に過ごせるに違いない。

サイズも大きく快適なフロントシート
サイズも大きく快適なフロントシート
独立2座のキャプテンシート仕様の2列目シート
独立2座のキャプテンシート仕様の2列目シート
全長が5m超のため、3列目シートはさすがに余裕がある
全長が5m超のため、3列目シートはさすがに余裕がある

 快適装備としては、シエナは車内に7つのUSBポートや最大16個のカップホルダーを備えているのが特徴。

 静粛性の高さに加え、スピーカーとマイクにより、車内で距離の離れている乗員同士が大きな声を出さずに会話できる機能もあるなど至れり尽くせり。

 また、カメラ式のルームミラーやクルマの周囲を俯瞰から確認できる、パノラミックモニターも設定しており、このあたりの細かい配慮は、アメリカを中心に販売されるミニバンながら、日本的なおもてなしである。

 走行性能では、全グレードに進化した2.5L、直4ハイブリッドを搭載したことが最大のハイライトだろう。

 FFとリアはモーター駆動となる4WDが用意される2.5Lハイブリッドというのは日本でもRAV4とハリアーに搭載されているので、それほど珍しいものではないが、今回のシエナに搭載された2.5L、直4ハイブリッドの性能が大きく向上した点に注目したい。

 具体的にはハリアーの4WDを基準に比べると、2.5L、直4エンジンは178psから191psとなり、フロントモーターも120psから180psに。リアモーターは54psと変わらないものの、システム出力は222psから245psに向上しているのだ。

 性能向上の要因は主に駆動用バッテリーにある。ハリアーはリチウムイオン、シエナはニッケル水素という違いこそあるものの、シエナは駆動用バッテリーを配置するセンターコンソールの大きさも生かして、駆動用バッテリーの容量をハリアーの2倍近くに拡大した。

 駆動用バッテリーの容量が大きくなれば動力性能だけでなく燃費にも有利で、公表されるシエナのEPA(米国環境保護局)燃費はそれぞれ1ガロン(約3.8L)あたり、FFが市街地、高速道路、総合ともに36マイル(15.2km/L)。4WDも市街地/35マイル(14.7km/L)、高速道路36マイル、総合35マイルと、大型ミニバンであることを考えれば優秀な数値だ。

 2.5Lで動力性能と燃費をこれだけ高次元にバランスできれば、これまでの3.5L、V6を廃止し、2.5Lハイブリッドとなったのも納得だ。

 また4WDシステムは前後駆動力配分がFFとなる100:0から20:80まで可変する高性能なものとなっているほか、カーナビと連動してハイブリッドシステムの燃費が向上するように作動させる機能が装備される点もおもしろい。

 価格はFFでベースグレードとなるLEの3万4460ドル(約356万1000円)から4WDでトップグレードとなるプラチナムの5万460ドル(521万5000円)。

 ベースグレード同士で比べるとオデッセイの3万1790ドル(約328万5000円)に対しシエナは30万円近く高い。ちなみに4WDはFFに対し、2000ドル(約20万7000円)高い。

 3.5L、V6を搭載する北米オデッセイのEPA総合燃費は9.3km/L。30万円近くシエナのほうが高いが、ガソリン代で早い段階でペイできると思われるだけに、シエナの競争力は非常に高い。

次ページは : アルファード、オデッセイと比べてシエナはどうなの?

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