欧州コンパクト並みの運動性能が自慢!! のヤリス
ヤリス最大の魅力は、WLTCモード燃費「36.0km/L」(※HYBRID X 2WD)というハイブリッドモデルの驚異的な燃費性能だ。EVを除く、量販車史上最高レベルの燃費を達成している。
ハイブリッドシステムは、従来のトヨタのハイブリットシステムと同様の「THS-II」だが、新開発の直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンが組み合わされたことにより、可能となった。
また、ハイブリッド車(FFの場合)であっても車重は1050kgと超軽量であり、トルクフルなエンジンも相まって、力強く滑らかに加速する。コーナーへのターンインや、旋回中のステアリング切り増し操作にも、クルマがしっかりと応答してくれるだけでなく、旋回中のブレーキングも安定している。
コーナリング中にギャップを乗り越えた際などには、若干タイヤが跳ね上げられる印象はあるものの、揺れのおさまりは速く、ロールやピッチングといったボディモーションも小さく感じられる。こうした運動性能の良さは、すべて軽量ボディのおかげだ。
気になるのは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が、30km/h以下になるとカットされる点。新型であれば当然、渋滞時の自動追従システムがあるものだと考えていたが、意表を突かれた。また、手引き式のサイドブレーキのみという点も、E-PKBを標準装備する新型ノート、フィットと比べるとやや古い印象だ。
「広さ」と「静かさ」はコンパクトカートップ!! のフィット
「e:HEV(イーエイチイーブイ)」とよぶ2モーターハイブリッドシステムがホンダのコンパクトカーとして初搭載された、フィット。WLTCモード燃費は「28.8km/L」(※e:HEV HOME 2WD)を達成している。
このハイブリッドシステムは、発電時のエンジン騒音が小さく、しかもアクセルペダルの踏み方に応じてエンジン音がリニアに上昇するようセッティングされているため、加速時のフィーリングが良い。
また、前方視界の良さもポイントだ。従来のAピラーにあたる柱を細幅化し、ワイドで見晴らしの良い視界を実現している。車幅感覚がつかむのが苦手な人や運転初心者に向けては、この視界の広さは大きな武器となる。
昨今のコンパクトカーの中で、フィットはトップレベルで静かだ。特に、中低速(~60km/h)では、「サー」という小さめのロードノイズで音量も小さく、バツグンの遮音性能をもっている。高速走行時も、「ゴー」というノイズは聞こえるが、それでもこのカテゴリでは相当に静かなレベルだ。
遮音機能付フロントウインドウガラスの採用や、吸遮音材の効果的な配置だけでなく、車体の局所剛性やパネル面剛性を上げて、音の振動伝搬を防ぐ構造を採用しているおかげだ。
フィットの課題としては、旧型フィットには存在した「RS」グレードが、現時点のラインアップにはなく、旧型でファンになった方の受け入れ先がないことだ。
本当は「NESS」が「RS」にあたるグレードであってほしかったところだが、その名の通り「フィットネスジム」程度の軽めのイメージあり、RSファンの期待する走りの良さには、全く届いていない。
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