新型ノート&ルーテシア 絶品高評価を支える鍵は新生プラットフォームにあり!!

「太い骨格」が特徴

 クルマのプラットフォームは、人間でいうと「胴体」のことだ。

 人間は、体幹を鍛えると、筋肉のバランスが整い、カラダ全体の安定性が高まる、という。クルマも同じで、プラットフォームが強靭だと、各部を的確に動かすことができる。心臓に相当するのがエンジン、腕や足がサスペンション、手や靴に相当するのがタイヤとして、それらすべてがつながる胴体のポテンシャルが、そのクルマの性能のベースを作っているのだ。

 新型ノートのプラットフォームを見ると、サスペンション形式は、フロントがストラット型、リアがトーションビーム型と、ごく一般的ながら、フロントのサブフレームが大きく前方に伸びていることが分かる。

 これまでのサブフレームは、この半分程度の大きさであったが、車両前方の支持部のスパンを長く伸ばし、なおかつ、強靭なサイドメンバーからサブフレームへと迎えを出していることで、サスの横剛性向上や、路面外乱に対する余計なアライメント変化の抑制が、より可能となっているはずだ。

 CセグやDセグでは見られる大型サブフレームを、Bセグへ採用する、という、相当な性能向上を図ったことがわかる。

新型ノートはナチュラルなハンドリング特性であり、走りの質感が高く感じられる。それは、強靭な車体と、サスペンションやサスペンション横剛性を上げたことが要因だという(日産の公開資料より)
新型ノートはナチュラルなハンドリング特性であり、走りの質感が高く感じられる。それは、強靭な車体と、サスペンションやサスペンション横剛性を上げたことが要因だという(日産の公開資料より)

 他にも、太いサイドシルやフロア面横方向へ入ったクロスメンバー、リアのトーションビームが取りつく部分のリアサイドメンバーの太さなど、Bセグとは思えないほど強い骨格が印象的だ。

 車体との取付ポイントが少ないこの手のリアサスは、太い梁の真下に、取付点をレイアウトすることが操安性能や音振性能上重要となるが、新型ノートでは、基本をしっかりと抑えた位置へレイアウトされている。

 また新型ノートは、ロードノイズの遮音性能も秀逸だ。新型ノートでは、旧型に対して車体剛性が30%向上しているが、この車体剛性の向上は、衝突安全性はもとより、音振性能への寄与が大きい。

人間は、体幹を鍛えると、筋肉のバランスが整い、カラダ全体の安定性が高まるという クルマも同じで、プラットフォームが強靭だと、各部を的確に動かすことができる
人間は、体幹を鍛えると、筋肉のバランスが整い、カラダ全体の安定性が高まるという クルマも同じで、プラットフォームが強靭だと、各部を的確に動かすことができる

 弱い骨格だといろいろな振動モードが生じてしまい、余計なバイブレーションやノイズを消し切ることが困難になり、タイヤやサスペンションのセッティング代に無理強いをすることになってしまうが、車体が強ければ、それらをする必要がなく、その分、走行安全性能や乗り心地性能へと振り分けることもできるので、より走りへと特化できるのだ。

e-POWER 4WDは、日産の秘密兵器

 新型ノートは、当初はFFのみの発売だが、2021年2月に、4WDが追加される予定だ。実はこれにも、新型ノートの隠し玉ともいえる新技術が盛り込まれている。

 新型ノートの開発担当者によると、太い骨格と、後輪用モーターのサイズアップによって、車両後部のフロアレイアウトが、かなり難しくなったそうだ。しかし、そのおかげで、E12にあったe+4WDのモーター出力3.5kWに対し、約14倍の50kWまでパワーアップする、という、とてつもない進化を、新型ノートは実現している。

太い骨格と、後輪用モーターのサイズアップによって、車両後部のフロアレイアウトが相当難しかったという だがその分、e-POWER 4WDのパフォーマンスは大いに期待できる(日産の公開資料より)
太い骨格と、後輪用モーターのサイズアップによって、車両後部のフロアレイアウトが相当難しかったという だがその分、e-POWER 4WDのパフォーマンスは大いに期待できる(日産の公開資料より)

 なお、リアに50kWのモーターとなると、フロントモーターの出力(85kW)と合わせれば、135kW級(最大出力は約180PS級、最大トルクは400Nm近いと推定)にもなり、新型ノートではオーバースペックにも感じられるが、実際には、出力は絞って使うことになるそうだ。

 おそらく、後続の「新型エクストレイル」で、本領発揮をすることだろう。このe-POWER 4WDは、今後の日産の秘密兵器になる、と思われる。

【画像ギャラリー】走りが期待できるコンパクトカー!! CMF-Bをプラットフォームとするクルマをギャラリーでチェック!!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!