■青空駐車でボディカバーをかける愛車精神
雨や雪、強い日差しから愛車を守りたいと、ボディカバーをかぶせる。この光景、少しずつ減っているが、「愛車が愛おしい」という気持ちがにじみ出ているではないか! 担当も昔やっていたが意外と大変。この「愛車・愛」は無形文化財だ。(編集部)
■縦列駐車を上手にこなして自慢げなドライバー
運転テク、それを見せる(魅せる)場はたくさんあるが、縦列駐車もそのひとつ。「今どき縦列駐車なんてクルマが自動でやるじゃない」。ま、それはごもっとも。そんな時代だからこそ、美しい縦列駐車を一発で決め、自慢げな顔をしているドライバーを、無形文化財として保護したい。(編集部)
■バックの際、左手を助手席の後ろに回す行為
私、今でもやってます。バックモニターが付いていても。これで助手席の女性がキュンとしてくれたら儲けもん! バックモニター見ながらバックしたって胸キュンはない! この瞬間がクルマ無形文化財だよね。(清水)
■給油のたびにトリップメーターをゼロにして、燃費を計算する行為
平均燃費が表示される今と違い、昔は実燃費を知りたきゃトリップメーターをゼロにして計算していたもの。もちろん今でもできる。やりましょ!(編集部)
■ハンドルの内掛け
これは土足禁止車よりはまだ生存度が高く、高齢者を中心に何の気になしにふとやってしまう感じが微笑ましくないですか? パワステあるし、内掛けしたって何のメリットもないはずだけど、なんとなくやってしまうその習慣が地味に無形文化財。(清水)
■信号待ちのたびに「地図」を確認して走るドライブ
その昔、知らない場所を走る時、必携だったのが地図。カーナビの急速な普及とともに、地図を信号待ちのたびに開いて見つつ走る行為は、ほぼ消え去った。その希少性ゆえ保護したい。(編集部)
■痛車の芸術的センス
愛車を好きなキャラクターで飾る痛車。好みは分かれるが、クルマのカスタムも行うなど完成度の高いものも多い。世界への日本車PRにもつながるはず!(大音)
■ボディのワックスがけ
愛車のお手入れの基本だったワックスがけも、メンテが楽なカーコーティングの普及で、今や少数派に。が、あの独特の艶と愛車を大切にする日本人の心は後世に残したい。(大音)
■ガソリンスタンド店員の気持ちのいい挨拶
ガソリンスタンド店員のテキパキした挨拶って気持ちいい! 今どこか無機質な世の中になっているからなおさら。挨拶の先にある心温まる会話もいいです。が、セルフスタンドの増加で、その挨拶に触れることが減った。これはイカン。無形文化財として、認定&保護すべし。(編集部)
* * *
いかがだろうか。クルマ界の主役であるクルマはもちろんカタチある有形だが、それにまつわる出来事や行為、カーライフには「無形文化財」として認定・保護してほしいものが星の数ほどあることがわかった。菅首相、保護を頼みます。ぜひとも!
【番外コラム】心が通い合う「マナーのクルマ無形文化財」も保護したいね!
(TEXT/大音安弘)
あおり運転が社会問題化する今、予防手段としてドラレコが注目されるが、同時に、ドライバー同士のマナーも見直され、讃えるべきものもあると思う。
信号のない交差点や細い道での譲り合いの際のハンドサインは、言葉が聞こえなくともしっかりと意思の疎通が図れ、道路の流れもスムーズに。譲った方も、相手からハンドサインや会釈で感謝を示されれば、少し幸せな気持ちになれる。
また、ドライバー同士の思いやりが生むマナーといえば、高速道路などの合流で一台ずつ進入するジッパー合流。日本人らしい美しい行為だ。さらに、対向車へのパッシングによる取り締まりのお知らせは、理不尽な待ち伏せ的な取り締まりに遭わずにすむこともあり、助かることも……。ただパッシング行為はあおり運転の誤解を恐れ、今は控える人も多いし、すすんでやるべき行為ではないだろう。
日本人らしい気遣いのある運転マナーこそ、最も守るべきクルマ無形文化財ではないだろうか。安心・安全のためにも。
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