気づけば絶滅危惧種… MTやタコメーターなど…近く消えるかもしれないクルマ技術 5選

マニュアルトランスミッション

 すでに日本では、MT車の新車販売比率は2%程度。限られた車種で、極少数が販売されている状況です。

 ここまでMT車が減っている理由としては、もちろん運転操作がより楽なAT車のほうが需要が高い、ということもありますが、ACC(追従型クルーズコントロール)を代表する先進運転支援システムとの相性が悪いため、ということもあります。

 MT車はクラッチ操作なしに停止するとエンジンストップするため、低速になるとACCがキャンセルされてしまうのです(走行中でもクラッチ操作をするとACCはキャンセルされる)。

 自動停止から再発進まで、制御の守備範囲が広いATに比べると、MTは不利であり、MT車は商用車や趣味性の高いクルマを除いて、ほぼ消滅することになるでしょう。

先日登場した新型N-ONEは6MTの「RS」が設定されている マニュアル比率は当初、2割弱と想定していたとのことだが、実際には3割以上に達しているという(HONDA広報担当者による)
先日登場した新型N-ONEは6MTの「RS」が設定されている マニュアル比率は当初、2割弱と想定していたとのことだが、実際には3割以上に達しているという(HONDA広報担当者による)

 ちなみに、運転免許統計令和元年版によると、第一種普通運転免許を取得したドライバーのうち、AT限定免許を取得した方は、約68%。いまでも約3割の方は、限定無し免許(MT可)を取得しているようです。

シガーソケット

 昨今は、ほぼ当たり前の装備となりつつある、USB充電口。ただ、クルマに装備されているUSB充電口の多くは、せいぜい2A程度(電圧は5V)程度であり、スマホやタブレットへの給電程度しかできません。

 しかし、通常12V(トラックなどは24V)、電流10Aを供給できるシガーソケットは、シガーソケット対応家電であれば、冷蔵庫や炊飯器、電気ケトルといった家電を使うことも可能で、車中泊の際や、災害時などの緊急性のある場合にも対応することができます。そのため、灰皿はとうの昔になくなっても、シガーソケットは、これまで必要不可欠でした。

 しかし、動力用バッテリーを持つハイブリッド車であれば、AC100V電源供給口(コンセントプラグがクルマにさせるタイプ)も可能であるため、今後はシガーソケットから、コンセントへと置き換えが進むでしょう。

 例えば、コンパクトカーのヤリスハイブリッドにも、AC100V 1500Wまで対応のコンセント口がトランクルーム内にあります。コンセント口は、ハイブリッドカーの必需品として、みなされる日も近いでしょう。

ヤリスハイブリッドのAC100V給電口 コンセントをONにするには、READYインジケーターが点灯している状態で、AC100Vスイッチを押し、作動表示灯が点灯することで、使用可能となる。なお、パーキングブレーキがかかっていることが前提だ
ヤリスハイブリッドのAC100V給電口 コンセントをONにするには、READYインジケーターが点灯している状態で、AC100Vスイッチを押し、作動表示灯が点灯することで、使用可能となる。なお、パーキングブレーキがかかっていることが前提だ

インパネ(スピードメーター、タコメーターなど)

 「スピードメーター」や「タコメーター」なども、淘汰されていくでしょう。搭載車が徐々に増えてきたヘッドアップディスプレイがあれば、今よりもグッと視線移動を減らすことができるからです。稀に見るオドメーターや燃料計などの表示も、センターディスプレイへ移動してしまえば、インパネ周りはすっきりします。

 ちなみにこの形に最も近いのが、テスラの「モデル3」。計器類をすべてセンターディスプレイへしまいこんだインパネのデザインは、潔いほどにすっきりとしています。

モデル3には、いわゆるインパネ(スピードメーター、タコメーター、燃料計、距離計など)がない。それらの情報は、ダッシュボード中央の15インチのタッチスクリーンに表示される
モデル3には、いわゆるインパネ(スピードメーター、タコメーター、燃料計、距離計など)がない。それらの情報は、ダッシュボード中央の15インチのタッチスクリーンに表示される

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