三菱自動車は、デザインを一新しプラグインハイブリッドモデルを新たに設定した、新型「エクリプスクロスPHEV」を、12月4日より発売開始した。
エクリプスクロスが誕生したのは2017年のことだ。三菱のクルマ作り100周年となるその年に、スタイリッシュなクーペフォルムとSUVのクロスオーバーSUVとして、三菱が得意とする4WD制御を武器に登場し、国内外で人気が出たモデルだ。
今回の商品改良による大きなポイントは、フロントとリアのデザインを大幅に変更した点と、これまでのディーゼルモデルを廃止した代わりに、プラグインハイブリッドを設定した点だ。プラグインハイブリッド車において、現時点世界で最も成功しているモデルである、三菱のアウトランダーPHEVのプラグインハイブリッドシステムを、この新型エクリプスクロスにも採用してきた。
今回、この新型エクリプスクロスPHEVに、公道で試乗させていただいたので、その魅力を余すことなく、お伝えしていこうと思う。
文:吉川賢一
写真:三菱自動車、ベストカーWEB編集部/撮影:平野学
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■清潔感のあるカッコよさ
新型エクリプスクロスのボディサイズは4545(+140)mm×1805(±0) mm×1685(±0)mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670(±0)mmと、マイチェン前よりも全長が伸びた(カッコ内はマイチェン前のエクリプスクロス比)。その大半は、リアのオーバーハング延長(+105mm)に費やしており、これによって、荷室空間が大きく拡大したという。
注目のデザインは、デリカD:5ほどでないが、アグレッシブなダイナミックシールドフェイスとなったことで、なかなか厳ついフェイスへと進化した。鋭い眼光はマイチェン前からだが、より薄目になり、ターンランプとフォグランプ回りの加飾も合わさった攻撃的なフェイスとなっている。
リアのデザインも、マイチェン前の特徴であったダブルガラスをやめ、一般的なシングルガラスへと変更。合わせてリアコンピランプも、ブーメラン型へと変更されている。
実車を間近で見れば、ホワイトダイヤモンドのボディカラーも相まって「清潔感のあるカッコよさ」が全身から溢れ出ている。ただ、ホイールベースをそのままに前後オーバーハングを伸ばしたため、若干、荷室エリアが大きくも見える。
おそらくデザイナーは、セットで19インチホイール化を狙っていたのだろうが、「18インチ」という適切なサイズを死守したことは大正解だ。その理由は後述する。
エクリプスクロスは、インテリアの使い勝手と視界が、もともと素晴らしかった。そこへ、今回はさらに、センターディスプレイを7インチから8インチへと大型化し、視認性を向上させた。また、最上級グレードに備わるヘッドアップディスプレイは、視線移動量の低減が見込め、高速道路などでは大いに役立つ装備だ。最小回転半径5.4mは平均的な大きさで、狭い場所でも困ることはないだろう。
そして筆者が毎度チェックする「右足用のフットレスト(もしくは平らな置き場所)は、この新型エクリプスクロスでも確認ができなかった。高速走行でACCを入れた時に、左右の足をフットレストにおいて突っ張ることで、身体への負担を大幅に下げられる。ACCが普及してくる今後は、必須ともいえる工夫だ。
アクセルペダルの右側には支柱があるため、ボディ設計へ最初から織り込んでおかないとなかなか設置は難しいのだが、コストは基本的にかからない工夫なので、次期型では、検討していただきたいと思う。
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