【RX500 MID4 S-FR…】期待に胸を焦がしていたが…お蔵入りになった幻のスポーツカーたち


トヨタS-FR

 トヨタが、2015年の東京モーターショーで発表した、コンパクトFRスポーツ「S-FR」もお蔵入りとなってしまったモデルです。エンジンをフロントミッドに積んだ後輪駆動で、86よりも小さなエントリースポーツカーのコンセプトカーでした。丸みを帯びたスタイリングとイエローのボディカラーで登場したその姿は当時、大きな話題となりました。

S-FRのボディサイズは、全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mm 期待されていたが、結局、市販化されることはなかった

 その翌年の2016年1月の東京オートサロンでは、S-FRをカスタマイズした、「S-FRレーシングコンセプト」まで登場。ベースとなったS-FRの車高を下げ、拡幅と派手なエアロパーツを装着し、ブレーキ強化や、インタークーラーまで装着(つまり過給機がある)という、カリカリのレーシングチューンまでなされていました。

2016年1月の東京オートサロンに登場したS-FRレーシングコンセプトは、S-FRの車高を下げ、拡幅と派手なエアロパーツを装着し、ブレーキ強化や、インタークーラーがある(過給機付)という、カリカリのレーシングチューンまでなされていた

 ここまでくれば、いよいよ市販化か!! と大いに期待されていましたが、残念ながら続報はなく、開発中止となってしまったようです。その代わりと言えるのかは微妙ですが、2019年10月に、コペンGRスポーツが登場。86よりも小さなスポーツカーの需要は、このクルマが引き受ける形となっています。

ホンダHSV-010

 初代NSXの後継車として開発されていた「HSV-010」。「HSV」とは、「Honda Sports Velocity」の頭文字であり、なんとV型10気筒エンジンをフロントに搭載し、後輪駆動を基本とするAWDレイアウトで開発されていたモデルでした。

 しかし、2008年のリーマンショックによる景気後退によって、市販化計画は白紙。しかしながら、この車両をベースとした「HSV-010 GT」は、2010年シーズンのSUPER GT GT500でデビューしており、18号車「ウイダーHSV-010」が、投入初年度のデビューイヤーで、見事チャンピオンを獲得しています。

スーパーGTに参戦したHSV-010 GT 3400ccのV8エンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動するFRマシンだった

 その後、2013シーズンまで活躍し、2014シーズンからは、NSX CONCEPT-GTへと、マシンチェンジとなりました。

 自動車メーカーの中では、常にこうした開発プロジェクトが走っています。ただし、すべてのプロジェクトが世に出るわけではなく、開発予算や採算性、さらには社会動静など、さまざまな事情に影響され、途中で消えることもあります。いま世に出ているクルマたちは、優秀なプロジェクトの結果なのです。

 今回取り上げたクルマたちがどのような事情で「開発凍結」となったかは、それぞれのメーカー、それぞれのモデルによって異なり、それぞれそれなりに深い事情があると思われます。筆者も自動車メーカーエンジニア時代には、携わったプロジェクトがいくつも凍結となり、悔しい思いを何度も経験しました。

 市販されることなく終わってしまったクルマたちは、登場を待ち望んだユーザーだけでなく、生みの親である自動車メーカーにとっても「夢の断片」なのです。

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