狭い日本の大きな味方!! 超重要項目なのに案外注目されてない…最小回転半径が小さい&大きすぎる国産車

ワースト1位はハイラックス

 つづいて、最小回転半径が大きいほうから並べた結果が以下の通りだ。

現時点(2021年5月)、国産乗用車(軽含む)のうち、小回り性能が悪いクルマ、ワースト5
現時点(2021年5月)、国産乗用車(軽含む)のうち、小回り性能が悪いクルマ、ワースト5

 5位の5.7mにランクインするのは、ラージクラスミニバンやスポーツカー、ラージセダンだ。エルグランドやGT-Rはなんとなく理解できるが、比較的、小回りが得意なイメージのアコードやクラリティ、カムリもランクインしているのは面白いトコロだ。このクラスになると、極端にひどいレベルとはいえないが、やはり小回りがしにくいというイメージは当てはまる。

16インチ、17インチであれば最小回転半径は5.7mだが、オプションの18インチを装着すると最小回転半径が5.9mにもなる
16インチ、17インチであれば最小回転半径は5.7mだが、オプションの18インチを装着すると最小回転半径が5.9mにもなる

 4位の5.8mには、フラッグシップ級の高級セダンや、大型SUVがランクインする。ホイールベースも長いため、最小回転半径は大きくなるが、その分、穏やかなハンドリング特性となる。そのため、後席に座って移動するならば、こうしたホイールベースが長いクルマの方がおススメだ。

シーマは、ホイールベースが3050ミリと長い。ハンドリング特性も穏やかだ
シーマは、ホイールベースが3050ミリと長い。ハンドリング特性も穏やかだ

 3位の5.9mには、スポーツカーや大型SUV、大型セダンがランクインする。レクサスRXが、ランクルやLXと同じ数字だったとは想定外だったかもしれない。スポーツカーのNSXは、もっと小回りが利くものだと想像する方がいるかもしれないが、太いタイヤ(NSXのフロントタイヤサイズは245/35R19)とAWD機構によって、フロント輪があまり切れないように規制されているようだ。

最小回転半径5.7mのレクサスRX。日本の道路事情を考えると選ぶのを躊躇しそうだが、かなりの売れ行きを見せている
最小回転半径5.7mのレクサスRX。日本の道路事情を考えると選ぶのを躊躇しそうだが、かなりの売れ行きを見せている

 2位には6.0mのホンダのフラッグシップカー、レジェンドがランクインする。「SH-AWD=超曲がる4WD」を搭載すると謡ってはいるが、実は小回りが苦手というのは皮肉なものだ。その半面、レジェンドの乗り味は実に大らかなもので、運転していると、極上の優雅な気分にさせてくれる一台だ。

レジェンドは、ホイールベース2850ミリ、車幅1890ミリ、タイヤサイズは245/40R19と、前提が悪いわけではないのだが、最小回転半径は6.0mと大きい
レジェンドは、ホイールベース2850ミリ、車幅1890ミリ、タイヤサイズは245/40R19と、前提が悪いわけではないのだが、最小回転半径は6.0mと大きい

 そしてワースト1位は、トヨタ・ハイラックスであった。ボディサイズは5340×1855×1800(全長×全幅×全高)ミリ、ホイールベースは3085ミリと、車幅は狭いが、相当ロングなボディだ。

 実は、ランクル(4950×1980×1870)の方が幅広で背も高いのだが、2850ミリの短いホイールベースのため、最小回転半径が小さい。ハイラックスは、日本の道路事情から考えると相当扱いにくいが、その分、日本車離れした雰囲気と、荷台の使い勝手は良い一台だ。

6.4mでワースト一位となったハイラックスのホイールベースは3085ミリ。ランドクルーザーのホイールベース(2850ミリ)よりも、235ミリも長い
6.4mでワースト一位となったハイラックスのホイールベースは3085ミリ。ランドクルーザーのホイールベース(2850ミリ)よりも、235ミリも長い

知っておくと、次のクルマ選びの指針に

 最小回転半径だけでクルマを決める方はほとんどいないとは思うが、いま乗っているクルマの最小回転半径を知っておくと、次のクルマを選ぶ際の、一つの指針にはなるかと思う。

 見た目だけではわからない、クルマの小回り性能。今回挙げた「ベスト5」と「ワースト5」だけでも頭に入っていると、街中を走るクルマを見る目が変わってくるかもしれない。

【画像ギャラリー】狭い場所もお任せ!! 小回りしやすいクルマ ベスト5とワースト5

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