こんな時代だからこそせめてクルマだけでも主張したい! “漢”なクルマ2021

■漢のキーワードその4「進取」

●「進取の気性」で常に前へと突き進め!

 自分が不慣れなものを遠ざけたり、何か新しい事や物に対して「できない理由」をひたすら挙げるのは誰にでもできる、それこそオンナコドモにもできる、簡単なことだ。

 だが、男がそんなつまらないことをしてどうするのだ?

 男子たるもの、たとえ不慣れなジャンルであっても「うむ、逆に挑戦のしがいがあるじゃないか!」といって取り組み、まったく新しい事象に対しても、否定から入るのではなく「興味」を持って、まずはフラットに接してみるのが本筋であるはずなのだ。

 その意味で、ここで取り上げている燃料電池車やEVは、現在のインフラ状況においては、否定しようと思えばいくらでも否定できる“新しいモノ”だ。

 だが試してもいないのに、触ったことすらないのに否定するのは卑怯者、臆病者のやることである。男だったら、進取の気性でまずは試すべし。まぁ試さなくても構わないが、せめて「頭ごなしの否定」はするべからず!

●トヨタ MIRAI

 昨年12月に登場した2代目の燃料電池車。初代もなかなかの走行フィールを誇ったが、後輪駆動となった2代目の長距離巡航フィールはさらに向上。

 出力=182ps/30.6kgmの駆動用モーターが生み出す走りは決してスポーティではないが、長距離をゆったり走るうえではきわめて好感触なGTになった。

 問題は水素ステーションの数が少なく、営業時間も限定されているということ。1回の水素充填で750~850km(参考値)の走行距離を誇るとはいえ、やはり不安は残る。が、そこも頭ごなしに「無理」と思うのではなく、あえて挑戦するサムライ精神を持ち合わせてこそ真の男。細かいことは気にするな。

トヨタが作る燃料電池車の2代目として2020年12月に登場。初代の前輪駆動から後輪駆動へと変わり、主要コンポーネンツの最適配置による低重心化や50:50の前後重量バランスと相まって、エモーショナルな走りを実現している。ちなみに乗車定員も初代の4人から5人に増えた
トヨタが作る燃料電池車の2代目として2020年12月に登場。初代の前輪駆動から後輪駆動へと変わり、主要コンポーネンツの最適配置による低重心化や50:50の前後重量バランスと相まって、エモーショナルな走りを実現している。ちなみに乗車定員も初代の4人から5人に増えた

●ホンダe

 2020年8月発表の都市型EV。一充電走行可能距離はWLTCモードで259~283kmと短いが、それで否定するのはもったいないほど、最高の走行フィールだ。

ホンダが昨年10月から販売する都市型EVコミューター。サイズは全長3895×全幅1750×全高1510mmで、新開発されたリアモーター・リアドライブのEV専用プラットフォームを採用。価格は451万円~
ホンダが昨年10月から販売する都市型EVコミューター。サイズは全長3895×全幅1750×全高1510mmで、新開発されたリアモーター・リアドライブのEV専用プラットフォームを採用。価格は451万円~

●日産 リーフNISMO

 バッテリーやモーターは通常のリーフと同一だが、制御ユニットのプログラム変更などにより「ザ・スポーツカー!」と言える走りに大変身。このエレキの力は、クルマ好き男子ならば一度は体験すべし!

2017年7月に追加されたNISMO仕様。アクセル操作に対するパワーの出方に専用チューンが施され、足回りやステアリングギアボックスなども磨かれたことで、一級品の走りに。429万8800円
2017年7月に追加されたNISMO仕様。アクセル操作に対するパワーの出方に専用チューンが施され、足回りやステアリングギアボックスなども磨かれたことで、一級品の走りに。429万8800円

■漢のキーワードその5「挑戦」

●安定を求めるだけでは男の幸福は実現しない

 人は幼い頃「はじめてのおつかい」に挑戦し、長じた後は「部活のレギュラー獲得」「童貞卒業」「希望する企業への就職」など、さまざまなことに挑戦していた。

 だがいつの頃からか、「挑戦」の代わりに「維持」「安定」「そのまま、そのまま!」といった言葉が興味の中心となり、オスとしての魅力と能力を減じていく。

 もちろん、いわゆるマイホームパパ的な安定がもたらす幸福は否定されるべきではなく、それどころか、「マイホームパパになることこそが、男の究極のシアワセである!」と言い切ることすらできるだろう。

 だがそれはそれとして、男は心と身体のどこかで常に「挑戦」をしていなければ、いつしか愛する家族にすら疎んじられ、軽んじられる存在となってしまうだろう。

 だからこそ、家族のことは最大限に愛し庇護しつつも、せめてクルマにおいては、こういった“難敵”への挑戦を続けたいのだ。

●マツダ RX-7(FD3S)

 言わずと知れたロータリースポーツの雄。最高出力255~280psのシーケンシャルツインターボの13B型ロータリーエンジンを搭載し、1991年から2003年まで販売された。

 切れ味鋭いハンドリングを誇る素晴らしきスポーツカーであることは間違いないが、ロータリーエンジンのコンディション維持はなかなかシビアで、多くの場合でエンジンオーバーホールが必須となる。

 だが、そんな“荒行”を乗り越える日々を通じて、男は磨かれていく。シコシコ磨け。

1991年から2003年までの長きにわたり販売された3代目のRX-7。ターボで武装した13B型ロータリーエンジンの最高出力は初期型が255psで、1996年1月のマイチェンで265psに。そして1999年1月のマイチェンで280psに達した
1991年から2003年までの長きにわたり販売された3代目のRX-7。ターボで武装した13B型ロータリーエンジンの最高出力は初期型が255psで、1996年1月のマイチェンで265psに。そして1999年1月のマイチェンで280psに達した

●ユーノス コスモ

「世界一美しいクーペ」と評しても決して大げさではない、1990~1996年にかけて販売されたマツダ(ユーノス)の2ドアクーペ。

 フォルムもパフォーマンスも文句なしの一台だが、世界初の市販車用3ローターエンジン「20B」の街中燃費は、一説には3km/Lいけば御の字と言われるほど極悪。その莫大な燃料費を稼ぐにはどうすればいいのか……と知恵を絞り、仕事での挑戦を重ねるうちに、オーナーは「稼げる男」へと変わっていくのだ。

「V12並みの滑らかさを持つ」と言われた3ローターエンジン「20B」は当初、最高出力333psで設計。だが運輸省(当時)の指導により280psに。中古車相場は200万~400万円
「V12並みの滑らかさを持つ」と言われた3ローターエンジン「20B」は当初、最高出力333psで設計。だが運輸省(当時)の指導により280psに。中古車相場は200万~400万円

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