もちろんジェンダー(社会的な性別)による差別は根絶されるべきだ。しかし、フィリップ・マーロウが言った、男は「優しくなければ生きている資格がない」という言葉にも学ぶものがある。
とはいえ、昨今の男は女性に、そして社会に、過剰に迎合してはいないだろうか?
自らの内に存在する“男成分”を極力抑え、あえて時代遅れな言葉を使えば“オンナコドモ”のご機嫌取りに終始しているうちに、気づいたら腑抜けで腰抜けな、男だか女だかよくわからない謎の生き物になっている──というのが、現代社会に生きる多くの男たちの実情ではないか。
まぁそうなってしまう事情は確かに存在しており、かく言う筆者も時代に牙と毒を抜かれ、腑抜けになりつつある者のひとりだ。
しかしだからこそ、せめてクルマだけは「男成分」「男気」にこだわり、それを運転すれば自然と男が磨けるようなクルマに乗るべきではないのか、いや、絶対そうだ! このままでは「男」は絶滅だ。だから男気あふれるクルマを紹介する。
※本稿は2021年6月のものです
文/伊達軍曹 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年7月10日号
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■漢のキーワードその1「力」
●男は「力」がなければそもそも生存不可能!
民主主義と平等が尊ばれている現代社会では、「力の行使」は評判がよろしくない。「力ではなく、話し合いで解決しましょうよ」というのが現代のトレンドだ。
それは確かにそのとおりだが、民主主義や基本的人権という考え方が確立されたのは、長い人類史から見ればつい最近のこと。人間を含む生物の本質は、やはり「弱肉強食」なのだ。それゆえ男は、いつだって「力」を持っていなければいけない。そうでない限り、本質的には生存不能となるからだ。
とはいえ、その力をこれ見よがしに行使するのは愚の骨頂。特に弱者に対してそれを向ける者は、男の風上にも置けない。切腹モノである。
圧倒的な力を有しているが、日頃はそんなことをおくびにも出さず、常にニコニコしている。子どもや女性、あるいは弱き者に優しい。普段は周囲からナメられても気にしない。が、いざとなれば「圧倒的な力」を行使する。それが、男ってもんだろ!?
●レクサス LX570
言わずと知れたレクサスのフラッグシップSUVである。エンジンは5.7LのV8で、377psという最高出力も全長5065×全幅1980×全高1910mmという堂々たる体躯も、男のパワーを体現するものとしては充分以上。
ただ、こういうクルマに乗るとクルマの力=己の力と勘違いし、傍若無人な運転を行う者も出てくるが、それはきわめてダサい。LXだからこそ、紳士的な運転が映えると知っておきたい。
●日産 GT-R
力といえば、当然ながらコレも素晴らしい。今さら言うまでもないが3.8L、V6ツインターボが生み出す出力は570psである。このパワーと存在感を、自制心をもって充分に手懐けることができた時、貴殿は男としての完成形に近づく。
●ジープ グランドチェロキー
過去の大戦を通じてわかったことのひとつは、「アメリカのパワーはマジで凄い」ということ。物量や体格といった面だけでいえば、我が国を完全に圧倒している。そんな国のパワーを我が身に注入したい場合には、コレなんかいかがだろう。現地のモノホンSUVと比べればやや小ぶりだが、日本の環境にはそこが逆にマッチする。過去には710psを誇る「トラックホーク」なんてのもあった。
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