■漢のキーワードその6「超越」
●「最高」を知らずに否定する禁を犯すな
「足るを知る」というのも重要な概念だが、しかしその概念には「小さくまとまった男になってしまう」というリスクも含まれている。
それゆえ男には、たとえ古いと言われようとも「まずは上を目指す!」「パンピーのレベルを超越する!」ことが求められるのだ。「この世で一番大切なのはカネなんかじゃないよ」と本気で、真顔で言えるのは、カネを持ったことがある人間だけ。真の贅沢を知らずしてそれを否定するのは、単なる欺瞞である。
ということでクルマにおいても、「結局は普通の実用車が一番なんだよ」と心の底から言い切れる男になるため、まずは「最高のモノ」に乗ってみる。話はそれからだ。
ただしそういった世界最高レベルのクルマには、男を「尊大にしてしまう」という危険な副作用もある。酒は呑んでも呑まれるな。そしてモノにも男は呑まれるな。「最高を知りつつ、だが謙虚である」という、カッコいい男を目指そうぜよ!
●トヨタ センチュリー
昔は「いつかはクラウン」なんて言葉もあったが、男はいっそ「いつかはセンチュリー」という姿勢で人生に臨みたい。パワーユニットは5L、V8+電動モーターで、システム出力は431psと強力。フロントの「鳳凰」エンブレムは、工匠が1カ月半かけて手彫りした金型で成形されたもの。これこそ我が国・日本が誇る“超越”だ!
●メルセデス・ベンツ Sクラス(W222)
新車のトヨタ センチュリーはさすがに非現実的だというなら、ベンツSクラスの中古車なんて、どうだろう? 先代の比較的低走行な個体が約340万円~! お買い得だゼ!
●ロールスロイス ゴースト
ロールスなんて買えっこない? いや、人生何が起こるかわからない。自分の可能性を信じろ。先代ゴーストの中古ならV8フェラーリの中古より安いぜ! それでも高いけど。
■漢のキーワードその7「神話」
●乗れるうちに乗っておこうぜ!
●ランチア・デルタ HF インテグラーレ
1987年の世界ラリー選手権参戦初年度からいきなりワールドタイトルを獲得し、以降、進化を続けながら1992年まで前人未到の6連覇を達成した伝説の、いや神話的なラリーマシン。その市販バージョンがこちらである。これに乗れば、当然ドライバーは神話の世界に没入することになり、結果として高度な精神修養が果たされる。
昨今は中古車相場が高騰しており、そして相変わらず故障のリスクとも戦わねばならぬため、そのあたりでも「男が試されるクルマ」だと言える。
●スバル WRX STI
世界ラリー選手権で戦ってきたマシンの市販バージョンである歴代のスバル WRX STIも、「乗るだけで男が磨かれるクルマ」のひとつだ。
もちろん市販車はラリーカーとイコールではないが、「世界を相手に戦った男たちの息吹」が感じられる車内で運転していると、「……オレもこうしてはいられねぇ。いろいろ鍛えて勝負に出たいぜ!」と思うようになるものだ。ちなみに2020年式の中古車相場は480万~700万円といったところ。
●三菱 ランサーレボリューション
インプレッサWRXとラリーの世界でしのぎを削っていた歴代の「ランエボ」にも、当然WRX STIと同様の効能がある。中古車相場はVIが150万~500万円、VIIからIXの世代が100万~530万円、Xが130万~700万円。
●トヨタ セリカ GT-FOUR
インプレッサやランエボとほぼ同時期、トヨタワークスとして世界ラリー選手権に参戦していたグループAマシンのホモロゲモデル。乗り味の“男っぽさ”は少々薄めだが、希少なため探し出して買うには根性が要求される。
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