こんな時代だからこそせめてクルマだけでも主張したい! “漢”なクルマ2021

■漢のキーワードその6「超越」

●「最高」を知らずに否定する禁を犯すな

「足るを知る」というのも重要な概念だが、しかしその概念には「小さくまとまった男になってしまう」というリスクも含まれている。

 それゆえ男には、たとえ古いと言われようとも「まずは上を目指す!」「パンピーのレベルを超越する!」ことが求められるのだ。「この世で一番大切なのはカネなんかじゃないよ」と本気で、真顔で言えるのは、カネを持ったことがある人間だけ。真の贅沢を知らずしてそれを否定するのは、単なる欺瞞である。

 ということでクルマにおいても、「結局は普通の実用車が一番なんだよ」と心の底から言い切れる男になるため、まずは「最高のモノ」に乗ってみる。話はそれからだ。

 ただしそういった世界最高レベルのクルマには、男を「尊大にしてしまう」という危険な副作用もある。酒は呑んでも呑まれるな。そしてモノにも男は呑まれるな。「最高を知りつつ、だが謙虚である」という、カッコいい男を目指そうぜよ!

●トヨタ センチュリー

 昔は「いつかはクラウン」なんて言葉もあったが、男はいっそ「いつかはセンチュリー」という姿勢で人生に臨みたい。パワーユニットは5L、V8+電動モーターで、システム出力は431psと強力。フロントの「鳳凰」エンブレムは、工匠が1カ月半かけて手彫りした金型で成形されたもの。これこそ我が国・日本が誇る“超越”だ!

2018年6月に発売された3代目。「神威」と名づけられた漆黒の新色は、手作業で鏡面仕上げされている。パワーユニットは国産唯一のV12から5L、V8+モーターのハイブリッドに変更。価格は2008万円也
2018年6月に発売された3代目。「神威」と名づけられた漆黒の新色は、手作業で鏡面仕上げされている。パワーユニットは国産唯一のV12から5L、V8+モーターのハイブリッドに変更。価格は2008万円也

●メルセデス・ベンツ Sクラス(W222)

 新車のトヨタ センチュリーはさすがに非現実的だというなら、ベンツSクラスの中古車なんて、どうだろう? 先代の比較的低走行な個体が約340万円~! お買い得だゼ!

2013年から2020年まで販売された先代のベンツSクラス。V12ツインターボのS600などは中古でも高額だが、S400ハイブリッドはまあまあ現実的な相場となる
2013年から2020年まで販売された先代のベンツSクラス。V12ツインターボのS600などは中古でも高額だが、S400ハイブリッドはまあまあ現実的な相場となる

●ロールスロイス ゴースト

 ロールスなんて買えっこない? いや、人生何が起こるかわからない。自分の可能性を信じろ。先代ゴーストの中古ならV8フェラーリの中古より安いぜ! それでも高いけど。

2009年に発売され、2014年にマイチェンを受けたロールスロイスの高級セダンで、ファントムよりひと回り小さい。中古車は一番安い部類であれば約1000万円から
2009年に発売され、2014年にマイチェンを受けたロールスロイスの高級セダンで、ファントムよりひと回り小さい。中古車は一番安い部類であれば約1000万円から

■漢のキーワードその7「神話」

●乗れるうちに乗っておこうぜ!

●ランチア・デルタ HF インテグラーレ

 1987年の世界ラリー選手権参戦初年度からいきなりワールドタイトルを獲得し、以降、進化を続けながら1992年まで前人未到の6連覇を達成した伝説の、いや神話的なラリーマシン。その市販バージョンがこちらである。これに乗れば、当然ドライバーは神話の世界に没入することになり、結果として高度な精神修養が果たされる。

 昨今は中古車相場が高騰しており、そして相変わらず故障のリスクとも戦わねばならぬため、そのあたりでも「男が試されるクルマ」だと言える。

世界ラリー選手権にグループA規定で参戦するため、実用ハッチバックであった「デルタ」を4WDターボ化し、その後、何度も進化を重ねた伝説のラリーカー。写真は最終世代であるエボルツィオーネII
世界ラリー選手権にグループA規定で参戦するため、実用ハッチバックであった「デルタ」を4WDターボ化し、その後、何度も進化を重ねた伝説のラリーカー。写真は最終世代であるエボルツィオーネII

●スバル WRX STI

 世界ラリー選手権で戦ってきたマシンの市販バージョンである歴代のスバル WRX STIも、「乗るだけで男が磨かれるクルマ」のひとつだ。

 もちろん市販車はラリーカーとイコールではないが、「世界を相手に戦った男たちの息吹」が感じられる車内で運転していると、「……オレもこうしてはいられねぇ。いろいろ鍛えて勝負に出たいぜ!」と思うようになるものだ。ちなみに2020年式の中古車相場は480万~700万円といったところ。

当初は「スバル インプレッサWRX」という、インプレッサのスポーツグレードとして販売されていたが、3代目のマイナーチェンジ時から「スバル WRX STI」という単独車名に。写真は最終限定車「EJ20ファイナルエディション」。発売後、即完売した
当初は「スバル インプレッサWRX」という、インプレッサのスポーツグレードとして販売されていたが、3代目のマイナーチェンジ時から「スバル WRX STI」という単独車名に。写真は最終限定車「EJ20ファイナルエディション」。発売後、即完売した

●三菱 ランサーレボリューション

 インプレッサWRXとラリーの世界でしのぎを削っていた歴代の「ランエボ」にも、当然WRX STIと同様の効能がある。中古車相場はVIが150万~500万円、VIIからIXの世代が100万~530万円、Xが130万~700万円。

1992年に「三菱ランサー エボリューション」として誕生し、その後もⅡ、Ⅲ、Ⅳ~と進化を続けながら、競技車両は世界ラリー選手権でも大活躍。写真は最終世代の「三菱ランサーエボリューションX」
1992年に「三菱ランサー エボリューション」として誕生し、その後もⅡ、Ⅲ、Ⅳ~と進化を続けながら、競技車両は世界ラリー選手権でも大活躍。写真は最終世代の「三菱ランサーエボリューションX」

●トヨタ セリカ GT-FOUR

 インプレッサやランエボとほぼ同時期、トヨタワークスとして世界ラリー選手権に参戦していたグループAマシンのホモロゲモデル。乗り味の“男っぽさ”は少々薄めだが、希少なため探し出して買うには根性が要求される。

FFスペシャルティクーペであるセリカの4WDターボ版で、競技車両は世界ラリー選手権で活躍。写真は6代目セリカベースのST205型GT-FOUR。中古車相場は120万~260万円付近だが、流通量は少なめ
FFスペシャルティクーペであるセリカの4WDターボ版で、競技車両は世界ラリー選手権で活躍。写真は6代目セリカベースのST205型GT-FOUR。中古車相場は120万~260万円付近だが、流通量は少なめ

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