■プラットフォームは先代から流用したがデザイン一新、エンジン含め大幅進化したケース
●別モノの2代目GR86&BRZ
近々登場するGR86、発表済みのBRZの2代目モデルは前述のフェアレディZに近いフルモデルチェンジで、モデルチェンジの内容としては型式の変更の有無だけの違いといってもいいだろう。
GR86&BRZはフルモデルチェンジでプラットフォームこそ継承しているが、現行インプレッサから採用が始まったスバル新世代のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の開発から得た、フルインナーフレーム構造の採用によるボディ剛性の劇的な向上、重量増となる要素ばかりながらルーフやフェンダーといったアルミ製のボディパーツの採用などにより、先代型初代モデルと同等の車重をキープ。
という強固な土台に全面的に見直されたサスペンションや2リッターから2.4リッターへの排気量拡大されたエンジンを組み合わせることより、動力性能も一気に向上しており、次元が違う走りをみせてくれた。
さらにAT車限定となるが、自動ブレーキ&運転支援システムもアイサイトが装備され、価格は据え置きのイメージで、魅力に溢れたスポーツカーに進化した。それだけに、初代86オーナーの筆者は、フルモデルチェンジされたBRZを衝動買いしてしまった。
なお、スポーツ系のモデルは大きな販売台数を望みにくいこともあり、「投資を長い時間かけて回収する」という方法で収益を得るというビジネスになる傾向が強いため、R33型とR34型のスカイライン、S14型とS15型のシルビア、NA型とNB型のロードスターなど、この手法でフルモデルチェンジすることは多い。
この手法でフルモデルチェンジされたスポーツモデルは確実に進化するのに加え、サスペンションをはじめとしたパーツの互換性があることも多いので、趣味のクルマであるスポーツモデルの場合はユーザーメリットも大きい。
●クラウン(12代目、13代目、14代目)
2003年に登場した「ゼロクラウン」というキャッチコピーが使われたクラウンの12代目モデルは新しいV6エンジンの搭載、新しいプラットフォームの採用に加え、ドライバーズカーの方向性を強めた点など、ゼロクラウンのキャッチコピーに相応しい、クラウンとしては革命的なモデルだった。
2008年登場の13代目モデルは基本的にプラットフォームやエンジンは共通だったが、3.5リッターV6ハイブリッドの追加のほか、乗り心地が劇的に向上した点など、歴代クラウンの中では地味な存在ながら、劇的な進化を果たした。
クルマのプラットフォームは二世代、時間にして10年前後で一新されることが多いのだが、2012年登場の14代目モデルもプラットフォームはゼロクラウンから続くものを使った。
それでも14代目クラウンはスポーティなアスリート系のアグレッシブなフロントマスクや、期間限定のピンクのボディカラーの設定、主力モデルを2.5リッター4気筒ハイブリッドとし、「クラウンは6気筒エンジン」という伝統を断ち切った点など、話題は多かった。
しかし、さすがにいろいろな意味で14代目モデルのまでのプラットフォームも古さが目立つようになり、2018年登場の15代目モデルでプラットフォームはFR車用としてはトヨタ新世代となるTNGA-Lをクラウンに合わせナロー(幅狭)化したものに移行した。
●リーフ
2010年に初代モデルが登場したリーフは量産電気自動車のパイオニア的存在である。2017年登場の2代目モデルもプラットフォームこそ初代モデルと共通で、初物ということで過剰品質だったところもある初代モデルに比べるとコストダウンを感じるところがあるのも事実だ。
しかし、それ以上にまだ新しい分野となる電気自動車は進化度合いも大きく、バッテリー容量は同じプラットフォームでバッテリーの進化により24&30kWhから40&62kWhと大容量化され、航続距離も大きく伸びた。また、動力性能も一気に向上しており、リーフは今後の進化も楽しみだ。
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