■最も気合が入っていたのはトーヨータイヤ
数ある日本のパーツブランドのなかで最も気合が入っていたのは、トーヨータイヤである。例年、屋外にも大きなブースを構えて有名ラリーストであるケン・ブロックのサイン会や特製ピンバッジの配布を行うのに加えて、ホール館を結ぶ巨大な通路に「TOYO TIRES TREADPASS(トーヨータイヤ トレッドパス)」という特別な展示エリアを設けている。
トレッドパスは今年で8回目の設置となり、同社のオフロードタイヤ「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズや、ウルトラハイパフォーマンスタイヤ「PROXES(プロクセス)」シリーズなどを装着したカスタムカー30台前後が集められ展示される。
半数以上が日本車のカスタムカーで今年は1000whp 1994マツダRX-7(ジョナサン・グルンヴァルト)、レクサスLC500コンバーチブル(ゴードン・ティン)、1986日産300ZX(ブランドン・ミラー)など著名ビルダーによる日本車などが出展された。
なかでも日本のエアロパーツブランド「アーティシャンスピリッツ」の美しいエアロをまとったLC500の周りには多くの来場者が集まり、カメラを向ける人波が途切れることはなかった。
トーヨータイヤといえば、隠れた人気となっているのが出展車両をかたどったオリジナルのピンバッジ(2018年から配布)で、今年は12車種のピンバッチが時間を決めて配布された。コストはかかるだろうが、来場者をブースに呼ぶための素晴らしいアイデアのひとつである。
■EVコーナーも拡大!一方1000馬力の新型V8エンジンのお披露目も
今年のSEMAはEVの出展が増えたことも注目すべき事実だ。「SEMA ELECTRIFIED」としてコンバートEVを中心にした展示スペースが拡大設置されたほか、EVとしてよみがえったハマーは「GMC HUMMER EV」としてブースを構え、テスラのカスタムモデルも2019年より出展が増えた。
その一方で、シボレーブースではシボレー史上最大にして最強の新型V8エンジン『ZZ632』がお披露目された。632とは632キュービックインチのことで、排気量にするとなんと10356㏄! 最高出力1000馬力以上、最大トルクは876lb-ft。しかもこのエンジンは単なるコンセプトモデルではなく2022年の早い時期に発売されるという。価格は$38000(約433万円)。
説明書きには『Chevrolet‘s Biggest, Baddest Big-Block Ever!!』(シボレー史上最大の最凶で最強なビッグブロックエンジン!)とあった。
Badの比較級はworse最上級はworstが文法的には正しいが、Baddestとは「超サイコー!」という最強の誉め言葉になる。脱炭素へ向けて世界の自動車メーカーの電動化が加速するこのご時世に10.3Ⅼの巨大なV8エンジンの誕生を喜ぶクルマ好きの目に見えるようで、なんだかホッとした。
ちなみにSEMAショーは2028年までスケジュールが決まっており、2022年は11月~4日に同じラスベガスコンベンションセンターにて開催される。
【画像ギャラリー】世界最大のカスタマイズショー「SEMAショー」に出展されたクルマが凄かった!(26枚)画像ギャラリー
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