■サンコーの製品開発ヒストリー
●ネッククーラーSlim(6480円)
近年、夏場になると頻繁に見かける小型の扇風機ハンディファン。そんななか、サンコーではさらに一歩先ゆく製品を2015年より手掛けている。それが首元を直接冷やすネッククーラーだ。
「暑い場所で扇風機を使ったら熱風が来ます。なら直接冷やせる方法はないかと考えてパソコンのCPUクーラーなどからヒントを得ました」(えきさん)
ペルチェという熱交換の仕組みを採用して首元を強力に冷やしてくれる。毎年モデルチェンジしており、昨年モデルは47万台の大ヒット。日経トレンディの「年間ヒット商品」にも選ばれているのだ。
●エレクトリックナイフSlim(5980円)
サンコーの数ある商品のなかでも、 予想以上に売れたと広報のえきさんが振り返るのが、断面が美しいコードレス電動包丁「エレクトリックナイフ Slim」だ。これは、すでに商品としてあった電動包丁を改良したもの。
「もともと電源コードがついた製品があったのですがそれだと危ないのでコードレスの製品を探して販売していました。ヒットしたのですがやはり重いという声があったので、より軽く、握りやすくしました。その結果、コロナ禍の巣ごもり需要にマッチして5万数千本の大ヒットになりました」(えきさん)
■メディア出演年間300回以上って多すぎでしょ!! 名物広報「えき氏」インタビュー
サンコーを代表するのが面白い製品の数々と、それをノリノリで紹介する名物広報のえき晋介さんだ。オレンジのシャツに蝶ネクタイ。にっこり笑顔でエッキーポーズを決めるえきさんは年間300本以上のテレビやラジオに出演。自ら広告塔としてサンコー製品を宣伝しているのだ。この大量のメディア出演と、それに伴うサンコーの売上拡大は、えきさんの戦略によって生み出されている。
「もともと営業としてサンコーに転職しました。営業活動のなかで広報としての機能が会社に必要だと感じ、社長に進言して営業兼広報として働き始めたのがきっかけです」
ひとりぼっちの広報としてメディアと接していくなかでさまざまな取り組みに挑戦した。単にプレスリリースを書いて送るだけでなく、季節に合った製品を提案する資料をまとめ、日本中のメディアに送付した。
「最初は地方のラジオ局さんが反応してくれましたが、それが広がって行きました」
メディアからの期待に応える形で、えきさん自身も進化していく。衣装を変え、ポーズを作り、求められるキャラクターを作っていく。さらに「基本的に断らない」方針で、急なテレビの依頼にも応えていった。
「テレビにこれだけ出ているとスタッフが欲しいことや構成も若干理解できるようになったので、それを整理してお伝えしています。こっちで用意した写真や映像素材で放送されることもありますよ」
■家電ジャーナリストが分析!! サンコーはなぜ「異端児」なのか
ガジェット好きなら誰でも知っている秋葉原の名(迷)店がサンコーレアモノショップだ。店頭にはひとり用の焼き鳥マシンから、強力なスポットクーラー、首かけのクーラーなど、ちょっと変わった機能を持つ家電やガジェットがところ狭しと並んでいる。名前のとおり、レアモノが勢揃いのお店なのだ。ここを営んでいるのがサンコー株式会社。今、テレビやラジオに引っ張りだこの注目の会社だ。
サンコーは2003年に創業。当初はちょっと変わったPDAやパソコン周辺機器を取り扱う店だった。2005年頃から「仰向けごろ寝デスク」など、微妙にパソコン周辺機器ではない製品も生み出していく。そして現在は調理家電や生活家電領域にも参入。いち早く糖質カット炊飯器を発売したり、串をぐるぐる回しながら焼ける全自動焼き鳥マシンなど、ちょっと変わった家電を数多く、生み出し続けているのだ。
サンコーの家電に共通するのが、大手メーカーの家電にはない、楽しさだ。取り扱う家電の多くは思わず「なんだこれ?」と唸ってしまうような、それでいて使ってみると便利でおもしろさがある。必需品ではないけど、あると生活が豊かになる、笑顔になれる。そんな家電なのだ。
通常、家電を開発・販売するとなるとマーケティングをして、ニーズをつかんで、といった過程がある。 しかしサンコーにあるのは楽しい、欲しいという思いだけ。だから普通の会社なら実現しないような、ちょっと変な家電も作り出してしまう。そのアイデアと実行力がサンコーの魅力なのだ。
コメント
コメントの使い方サンコーさんは2004年以来、お世話になっています! 以前はビデオ信号変換器とか、マルチメディアプレーヤーなどのPC,AV系の商品を買っていました。ネッククーラーとか、携帯散水機とか缶ドリンククーラーとか、いまでもちょくちょく買っています。質の割に値段が。。。と思うこともありますけどいつも新製品も楽しみにしています!