日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端をぜひとも味わっていただきたい!
というわけで、今回はテスラ・ニコラをはじめとしたアメリカEVトラック最前線の「現在」を俯瞰します!
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語です。クラスについては最下段を参照
文/緒方五郎(トラックに詳しいフリーライター)、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
■世界を動かすEVトラック
電動化の先端をゆくことで、既存トラック市場に挑む新興メーカーが現われた。いうまでもなく、先進的なクラス8、しかも長距離運行を可能とする燃料電池車(FCEV)で名乗りを上げたニコラと、BEV乗用車で時代の寵児となったテスラだ。
もっとも成功が約束されているとは限らないが、一流大企業フリートが真っ先に大量導入の手を挙げているのも確かである。
この流れに追従するように、アマゾンが自社配送専用BEVの開発を進めたり、先進的BEVの未開拓クラスを狙う新興メーカーも現われた。さらに既存の自動車メーカーも高い技術力と豊富なノウハウによって、この流れを引き寄せようとしている。
トラック・特装車の新時代が最も早く訪れるのは、やはり米国なのだ。
■ニコラ ワンFCEVトラック
ニコラはクラス8電気トラックメーカーとして2014年に起業、2016年に先進的なスタイルをもつクラス8コンベンショナルFCEV「ワン」の生産計画を発表して話題となった。
2021年はGMとの提携破談や元創業者が詐欺の疑いで起訴されるといった危機がありながら、初の製品であるキャブオーバー大型BEV「トレ」を発表、そして2023年にはいよいよワンの生産が同社アリゾナ工場でスタートする予定だ。
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