スズキ ダイハツ トヨタ3社共同開発の商用軽EV突如発表! 激戦区となりそうな軽商用EV市場の行方

■ダイハツが製造し、ダイハツ版はe-ハイゼットカーゴとして発売か

ダイハツ版はハイゼットカーゴ
ダイハツ版はハイゼットカーゴ

 今回発表されたリリースでは、ダイハツが製造し、スズキ、ダイハツ、トヨタそれぞれが販売すると明らかにしている。ではどんなクルマになるのか言及していきたい。

 そのヒントは、2022年6月22日、ダイハツが特許庁に「e-ATRAI」、「e-HIJET CARGO」、「e-SMART ELECTRIC」を商標登録した内容を見るとおおよそのことが見えてくる。

 さらに2022年11月11日にはダイハツは世界最大のリチウムイオンバッテリーメーカー、中国のCATL社と提携を発表。またCTP(Cell-to-Pack)やBMS(バッテリーマネジメントシステム)などの高度なバッテリー技術の実現に取り組む予定と発表している。

ダイハツが特許庁に商標登録した車名(出展:特許庁)
ダイハツが特許庁に商標登録した車名(出展:特許庁)

 e-アトレーやe-ハイゼットカーゴは、特許庁に提出されたレイアウトを見る限り、前席の下側に搭載されたモーターで前輪を駆動する。

 ガソリンエンジン車のハイゼットでは、エンジンを床下に搭載して、プロペラシャフトを介して後輪を駆動するから駆動方式は異なる。床下に駆動用電池を搭載するe-アトレーやe-ハイゼットカーゴではプロペラシャフトを使わない前輪駆動が合理的だ。

ガソリン車のアトレー、ハイゼットはフロントシート下にエンジンが搭載されているがその部分にモーターを配置し、35の部分にバッテリーを搭載しているのだろうか(出典:特許庁)
ガソリン車のアトレー、ハイゼットはフロントシート下にエンジンが搭載されているがその部分にモーターを配置し、35の部分にバッテリーを搭載しているのだろうか(出典:特許庁)

 物流会社における軽商用バンの配達は「ラストワンマイル(最後の1マイルという距離的な意味ではなく顧客にモノ・サービスが到達する物流の最後の配送区間)と言われており、1日の走行距離の目安が付けやすい。

 例えば100kmで足りるなら、それに必要なだけのバッテリー容量を計算すればいい。夜間に8時間充電すれば問題ないといわれている。

 それらを踏まえると、今回の軽商用EVは軽規格いっぱいの47kW(64ps)/195~197Nm(19.5~20.0kgm)の出力、18~20kWhの総電力量、1充電あたりの航続距離も200kmという線が見えてくる。

 注目の価格は2021年12月20日に奥平社長が発言した通り、補助金含め、実質100万円台になるだろう。軽商用EVの採算分岐点は、1kmで1万円ともいわれ、100kmの1充電あたりの航続距離が必要なら100万円となる。

 写真のナンバープレートを見てもらえばわかるが、スズキはエブリイ、トヨタはピクシスバン、ダイハツはハイゼットカーゴとなっているが3車種の車名は今のところわからない。

スズキ版はエブリイ。スズキはEVだけOEM供給を受けるのか? ガソリン車のエブリイは生き残るのか?
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