クルマと道路は切っても切り離せないもの。交通ジャーナリストでもある清水草一が、毎回、道路についてわかりやすく解説する当コーナー。今回は、開通から30周年を迎えたお台場の象徴、レインボーブリッジの今とその歴史についてレポートしていく。
文/清水草一、写真/首都高速道路株式会社
■レインボーブリッジが渋滞を緩和?
2023年8月26日(土)、東京港をまたくレインボーブリッジが開通30周年を迎える。中高年ドライバーとしては、青年期に開通したあのレインボーブリッジが30歳と聞くだけで、感慨もひとしおだ。
30周年を記念して、8月19日(土)から特別ライトアップが始まる。スケジュールは以下の通り。
8月19日(土):碧色(エメラルドグリーン)
8月20日(日):紫色(レインボーカラーの1色)
8月21日(月):青色(同上)
8月22日(火):緑色(同上)
8月23日(水):黄色(同上)
8月24日(木):橙色(同上)
8月25日(金):江戸紫色
8月26日(土):レインボー色
8月27日(日):レインボー色
レインボーブリッジを愛する私としては、できれば毎日通い、全色を制覇したいと考えている。
レインボーブリッジは、吊り橋としてはそれほど長いわけではない。最大支間長570mは、明石海峡大橋(1991mで日本最長)の3分の1以下。日本のベスト10にも入らない。ちなみに明石海峡大橋は世界最長の吊り橋だったが、昨年、トルコのチャナッカレ橋に抜かれて第2位に落ちた。残念。
ともかくレインボーブリッジの価値は、長さにあるわけではない。第一に、首都高の渋滞緩和効果が絶大だった。
1993年にレインボーブリッジを含む首都高11号台場線が開通し、1号羽田線と湾岸線が接続された。これによって、それまで首都高最大のボトルネックだった箱崎JCTの渋滞が大幅に緩和され、首都高全体の渋滞量が20%以上減少した。
それまで箱崎JCTは、上り方向だけでなく下り方向の渋滞の先頭にもなっており、それがC1(都心環状線)全線に伸びるという最悪の構造だったが、レインボーブリッジの開通で東西方向のルートが2本になり、C1の渋滞が大きく減ったのである。
その後レインボーブリッジは、浜崎橋JCTを先頭にした上り渋滞が常態化。2005年には1日平均交通量が6万8000台に達したが、2015年にC2が全線開通したことで交通量は減少し、現在は1日平均約5万台の交通量をほぼ快適に捌いている。
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