■「白飯許さない」ってどういうこと!?
逆説的でおもしろいネーミングだと笑っちゃったのが「白飯許さない」。
開発者の梶間 慧さんは、食べることが大好きで白飯と具材のバランスを取ることを忘れ、欲望のままに具材を食べていたら白飯が余りがちという実体験から生まれたのがこの部門。飯より具材を愛しすぎてたどり着いた「超絶具ッドな偏愛めし」だ。
「ワクワクドキドキする商品づくりでみんなの心を満たしたい。具の量を多くすることで、最後に白飯だけが余ることがないように、最後のひと口まで満足できるように」という思いに溢れている。
「欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼」(646円)について、「焼肉弁当を食べていると、肉が先になくなってしまう」と不思議そうに、かつ悲しそうに話す梶間さん。そんな思いを抱えている同志諸君への使命感に燃えて開発されたのがこちらだ。お肉とご飯はなんと同量の180gずつ。
豚ロースは4~5mmほどもの厚みがあるのに柔らかで歯触りがよく、サッパリとしているのでぐいぐい食べられる。甘辛いタレに糸唐辛子のアクセントもいい。
「あんだく溺れ天津飯」(430円)も天津飯を食べた時にあんが先になくなって、白飯のみを切ない思いで食べたという経験から生まれたもの。
熊本県天草の「牛深(うしぶか)漁港」で出合った、新鮮な小魚から抽出したダシを使ったあんは醤油ベース。オイスターソースがほんのり効いたやさしい味わいのあんが容器の限界ぎりぎりまで超だくだくに入っている。
これは持ち帰りの時に気をつけないと大変そうだ。具材はカニカマとキクラゲととてもシンプル。
「はみだしすぎィな鶏つくねおにぎり」(322円)について、梶間さんは“ちょっとはみ出している”と言うが、いやいや、ひと口目はご飯に届かず、つくねしか食べられない(笑)。つくねとご飯はそれぞれ80gずつで、私(女性)の握りこぶし以上の大きさだ。
どこから食べても具があるし、最後のひと口まで堪能できる満足感と幸福感を願って作られた。つくねは既存品の226%だそうで、はみだしすぎィというか、やりすぎィだろう、ドンキ!
最初にパクリとかじられる部分は照り焼きソースで、途中からはまろやかな卵黄ソースで味変されるようになっている。具材は、ショウガの風味が爽やかなつくねに、ニンジンなどの根菜類も入り、満足度がやたらと高い。
■「脇役を主役に」の振り切りっぷり
続いては、「脇役を主役に」。開発者の犬塚康太さんは、誰よりも調味料を愛し、味付けにこだわり、社内で求道者と呼ばれているんだとか。
「具材や白飯は、すべてのタレ、ダシを生かすためにある。これは脇役である調味料を世の中にアピールするチャンスだ」と豪語する。
「焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレおにぎり(肉入り)」(160円)は、ドンキのPB商品でもある、やや甘口の焼肉のタレを使用したおにぎり。イメージは焼肉屋さんで焼いてタレをたっぷりつけたお肉を白飯にバウンドさせた、あのご飯。
焼肉の脂の旨みとタレをドバドバ投入しすぎたことにより、タレを主役にしたことで肉が脇役に追いやられている。米にタレを混ぜ込んでいるが、さらにおにぎりの中にもタレが仕込まれているというこだわりぶりに震えた。
食べた瞬間、あまりのおいしさに頬が緩んでしまったのが、「西京味噌で米を食い続けるための金目鯛焼きおにぎり」(214円)だ。
数ある調味料の中で最も西京味噌が好きだという犬塚さん。西京味噌のやさしい味を最大限に引き出す設計で、愛をものすごく感じた。
実は「西京味噌」と名乗れるものは、承認されているごく一部なのだそう。
今回、西京味噌のおいしさを伝えたいと1830年創業の京都の味噌蔵「株式会社 西京味噌」の味噌を使用している。ここでも金目鯛はあくまで脇役。
本音を言うと、金目鯛は入れず、西京味噌だけにしたかったと話す犬塚さんだが、食感を出すためにいちばん味噌の風味を邪魔しない量を模索したんだとか。
2023年10月現在、西京焼きの金目鯛が具材のおにぎりがあるそうだが、11月以降は思い切り振り切ったこちらの商品にチェンジされる。
「ダシを活かすための親子丼」(495円)は、上記天津飯のあん同様「牛深漁港」で出合った、新鮮な小魚から抽出したダシを使っている。
「このダシに出合った時、これを世の中に広めるのは私の使命だ」と感じたのだそう。ダシのやさしい美味しさを活かすために考えられた、素朴な味付けのダシファーストの親子丼だ。
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