こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 ロータリー復活に沸く今 改めて4ドア4シータースポーツカー「RX-8」を振り返る!

■ロータリーエンジンの可能性を知らしめたRENESIS

 RX-8に搭載されるロータリーエンジンは、排気ポートをローターハウジングからサイドハウジングに移設したサイド排気/サイド吸気のポートレイアウトとしている。このレイアウトの利点として、吸排気ポートタイミングのオーバーラップを解消できることが挙げられる。

 これにより排気が吸気行程に持ち込まれることなく、安定した燃焼が得られる。また、ローターひとつあたりふたつの排気ポートを設けることで、それまでのロータリーエンジンに比べて約2倍の排気ポート面積が確保できる。

 これにより、排気ポートの面積を十分に確保したまま排気オープンのタイミングを遅らせることができるので、膨張行程が長くなって熱効率が向上し、高出力化と同時に低燃費化を実現できるというわけだ。

 しかも、エンジンが本来持つ性能をフルに発揮させるために、生産技術や設備についても独自に開発し、極めて高精度な生産品質を実現するため生産加工技術を確立している。こうした多方面でのチャレンジが、RX-8のハイレベルなパフォーマンスをもたらす要因となっている。

厳しさを増す環境規制への対応が難しくなってきた2012年6月、RX-8は惜しまれながら生産終了となる。最後の特別仕様車として「スピリットR」が限定1000台で発売された
厳しさを増す環境規制への対応が難しくなってきた2012年6月、RX-8は惜しまれながら生産終了となる。最後の特別仕様車として「スピリットR」が限定1000台で発売された

 RX-8がデビューした2000年代初頭、世の中は景気低迷が続いており、スポーツカーのような趣味性の高いクルマが商業的に成功する可能性は極めて低い状況にあった。

 なおかつ「平成12年排出ガス規制」に対応できずにスポーツカーが相次いで生産終了していた。RX-8は、まさにスポーツカー受難の時代に登場したわけだが、4ドアのスポーツカーというユニークなコンセプトは、そんな時代を反映したものだとも言える。

 スポーツカーを作るのは難しい状況にあったと思うが、あえて自然吸気として環境性能に配慮したロータリーエンジンの搭載や、フリースタイルドアを採用した4ドアボディ、ふだんの走りでも感じられる高いドライビングクオリティなど、「New 4door Sports for 4Adults」を具現化するために挑んだマツダ開発陣の心意気は称賛に値するものであり、そうして作られたクルマだからこそ、世界中のスポーツカーファンを魅了したのだろう。

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