WR-Vは逆輸入アコードワゴンに続くヒットか!? 今思えば失敗作も多々……ホンダ逆輸入車の悲喜こもごも

シビッククーペ

初代:1992~1996年
2代目:1996~1998年

日本に導入された最初のシビッククーペはバランスのいいコンパクトクーペだったが、日本ではブレークせず
日本に導入された最初のシビッククーペはバランスのいいコンパクトクーペだったが、日本ではブレークせず

 ホンダはアコードクーペの弟分的なシビッククーペを1992年に北米から日本に輸入開始。ベースとなっているのは5代目シビック(このモデルからセダンにフェリオのサブネームが付けられた)だった。発売当初は4ATのみだったが、後に5MTが追加された。

 日本に輸入された最初のシビッククーペはコンパクトクーペとしてまとまっていたが、同世代のハッチバックがスタイリッシュでもっとカッコよかった。ハッチバックの大人気の影響もあり、存在感は薄かった。

 2代目は1996~1998年と短命に終わった。その要因はいろいろあるが、地味なデザインと、エンジンはホンダ自慢のVTEC仕様だったものの、スポーツ仕様ではなく燃費&環境志向のVTEC-Eだった点も、クーペに乗るスペシャル感を味わうには残念過ぎた。この2代目をもって日本への輸入は終了。

1997年にハッチバックにタイプRが設定されたのもクーペの存在感を薄めた
1997年にハッチバックにタイプRが設定されたのもクーペの存在感を薄めた

ホンダフィットアリア

初代:2002~2009年

 フィットアリアはフィットをベースにした、東南アジアマーケット向けに開発されたコンパクトセダンで、現地名はシティだった。そのモデルを日本仕様に改良を施して日本に輸入して販売した。

 トヨタプラッツ、ベルタ、日産ティーダラティオなどの対抗馬として日本に投入されたが、販売面では苦戦して2009年に日本での販売を終了……。

フィットアリアが登場した頃から、小型セダンへの需要が激減していたのが不運だった
フィットアリアが登場した頃から、小型セダンへの需要が激減していたのが不運だった

 実質後継車となるグレイス(2014~2021年)は、フィットアリア同様に東南アジア向けのシティの日本仕様だが、寄居工場(埼玉県)で生産されていたため輸入車ではない。

ホンダラグレイト

初代:1999~2005年

ラグレイトはほかのミニバンにない巨大さが個性となり、根強い人気を誇った
ラグレイトはほかのミニバンにない巨大さが個性となり、根強い人気を誇った

 カナダ工場で生産していた北米向けのオデッセイを1999年に日本に導入開始。全長5105×全幅1935×全高1740mmでホイールベースは3000mm!! グランエース登場まで日本の最長ミニバンのレコードホルダーで、当時はそのデカだが際立っていた。ミニバンブーム真っ只中、デカいがゆえに話題になり、その巨大さに心惹かれた人は多かった。

ホンダエレメント

初代:2003~2005年

現在のハイトワゴンに求められる要素に加え、観音開きドア、オシャレなデザインが与えられていたエレメントは密かに中古車が人気
現在のハイトワゴンに求められる要素に加え、観音開きドア、オシャレなデザインが与えられていたエレメントは密かに中古車が人気

 ファニーなデザインに観音開きドアという斬新コンセプトで登場したエレメント。全長4300×全幅1815×全幅1790mmのボディサイズは、現代のハイトワゴンとしてはごく当たり前の大きさだが、当時は巨大に感じ、このデザインで全幅1700mm以下の5ナンバーサイズなら買ったのに!! という人は多かった。

 そのためアメリカではヒットしたが日本では販売面で苦戦して短命に終わった。大きさに抵抗がなくなった現代では、中古でけっこう人気が高く、高値安定が続いているのを考えると、登場した時期が早すぎたのかも。

シビックタイプR

2代目:2001~2005年
タイプRユーロ:2009~2010年
4代目:2015~2016年
5代目:2017~2021年

イギリス生産となったのはこの2代目モデルから
イギリス生産となったのはこの2代目モデルから

 大ヒットした初代シビックタイプR(EK9型)は鈴鹿工場で生産。それに対し2代目(EP3型)はイギリスのスウィンドン工場で生産されたモデルを日本に輸入して販売した。これは当時かなり話題になった。

 それに対し4ドアセダンベースの3代目タイプR(FD2型)は、4ドアセダンをスウィンドン工場では生産していなかったため、再び鈴鹿工場で生産となった。

フロントセクションはフィットベースのタイプRユーロは2回限定販売された
フロントセクションはフィットベースのタイプRユーロは2回限定販売された

 そしてシビックタイプRユーロ(FN2型)、4代目(FK2型)、5代目(FK8型)は再度スウィンドン工場で生産されたモデルを日本に輸入。タイプRユーロは2009年に2010台、2010年に1500台と2回限定販売され、4代目は750台の限定販売、5代目はカタログモデルだった。

4代目はWTCCのコンペティションモデル。ニュルの7分50秒から750台が限定販売され、速攻で完売
4代目はWTCCのコンペティションモデル。ニュルの7分50秒から750台が限定販売され、速攻で完売

 現行のシビックタイプR(FL5型)は2021年7月でスウィンドン工場が閉鎖となり、生産地が注目され北米、中国、タイなどの候補地が噂されていたが、日本の埼玉製作所となり、シビックタイプRは輸入車ではなくなった。

5代目のコテコテとしたデザインは賛否が分かれるが、FFとしての圧巻のポテンシャルは誰もが絶賛
5代目のコテコテとしたデザインは賛否が分かれるが、FFとしての圧巻のポテンシャルは誰もが絶賛

 ここでは紹介しなかったが、ホンダが海外から輸入して日本で販売したモデルには、MDX、2代目NSXもあるが、売れているクルマのほうが少なく、けっこう苦戦している。だからこそWR-Vの躍進ぶりが凄いことなのだ!!

【画像ギャラリー】超懐かしいクルマもある!! これまでホンダが海外から輸入して日本で販売したクルマたち(16枚)画像ギャラリー

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