【NISMO事業部設立から2年】NISMOが急速に浸透した事情と課題

モータースポーツはプレステージ性を高めるのに必須

 もひとつプレステージ性を高めるカギとなるモータースポーツ活動についても、NISMOは基本的に国内レース活動が主体。WRCやWECなど「世界選手権クラス」で活躍するトヨタGRに比べると、かなり見劣りするのは否めない。

日本のスーパーGTは日産&NISMOのモータースポーツ活動で今でも重要なポジションにあり、GT-Rでチャンピオン奪還を目指しまい進中!

 明るいニュースとしては、今年のニュル24時間でGT-Rが総合10位に食い込んだリザルト。

 トヨタみたいな大規模なモータースポーツ活動は無理としても、こういう風にテーマを絞って専門家筋に評価されるレースで実績を積むのは素晴らしいこと。その流れとして、レース用のGT3モデルやGT4モデルなどを、NISMOプロデュースで生産/販売するのも重要だろう。

量産EVで世界のイニシアチブを握っている日産はゼロエミッションのレーシングカーの開発にも積極的。リーフNISMO RCは先代モデルから大幅に進化している

NISMOヘリテージパーツの更なる拡大に期待

 また、日産の重要な資産として、歴史の長いレース活動から生まれたかずかずの名車たちの存在がある。初代スカG(S54)やGT-R(PGC10)はもはや神話の領域だし、R32GT-Rだってもう伝説の名車という扱い。

 こういう歴史遺産を大事にするという意味で、生産終了となった車の部品を供給する「NISMOヘリテージパーツ」などの活動も評価できる。

欠品となっているパーツをNISMOヘリテージパーツとして復刻。GT-Rだけでなく日産の多くの車種のパーツに拡大することに期待がかかる

 ゆくゆくは、名門スポーツカーブランドに見られるような、往年の名車を整備できる、オフィシャルなレストア部門などに発展してゆければ、日産にとってもNISMOにとってもプラス効果は大きい。

 現状、まずまずうまく回りはじめたといっていいNISMOのプレミアムブランド化戦略だが、気を抜くと途中でコケるのが日産の悪い癖。今後も息長く発展してゆくために、長期的な戦略を立てて頑張ってもらいたいものでございます。

【NISMOロードカーラインナップ&価格】
■GT-R NISMO(日本価格未発表・10月発売開始)
■フェアレディZ NISMO:629万3160円~
■リーフNISMO:403万2720円
■ノートe-POWER NISMO S:267万1920円/ NISMO:248万8320円
■ノートNISMO S:232万8480円/NISMO:212万2200円
■マーチNISMO S:184万2480円/NISMO:160万3800円
■セレナNISMO:342万4680円
■ジュークNISMO RS:346万8960円/NISMO:297万1080円

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