こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】電動で幌が開閉する愛嬌たっぷりのオープンカー! 中古で40万円から買えるマーチカブリオレ

■愛らしさと軽快感を融合したスタイルで独自性をアピール

 スタイリングは、ベースのマーチを継承することで、かわいらしさやおしゃれ感、楽しさを印象付ける一方で、ヒップアップしたキャラクターラインの採用によってオープンカーらしい軽快な走りのイメージが演出されている。

 ボディカラーは、メディタラニアングリーンメタリック、ソニックシルバーメタリック、ワインレッドパールメタリックの3色を設定。幌のカラーはどのボディカラーにも調和するベージュとした。

 車内は運転席まわりの造形こそベース車と同様となるが、カラーをグレーで統一してシックな雰囲気を漂わせるとともに、地図をモチーフにした専用シートクロスを採用することで独自の世界観を表現。乗り込むたびにベース車とは明らかに異なる特別な1台であることを実感させてくれた。

シートクロスは鮮やかな柄のトリコットを採用。室内は手が触れる部分に抗菌処理を施したり、全面UVカットグリーンガラスなどによって清潔で快適な空間に仕上げている
シートクロスは鮮やかな柄のトリコットを採用。室内は手が触れる部分に抗菌処理を施したり、全面UVカットグリーンガラスなどによって清潔で快適な空間に仕上げている

 マーチカブリオレに限らずオープンカーは、クルマ選びをするうえでさまざまな懸念事項を包含している。そもそも移動手段であるクルマに問われるのは、使い勝手のよさや燃費、安全性といった能力だが、オープンカーはそういった能力がやや希薄であることからファーストカーに選ばれにくい。しかし、風を感じて走れる爽快感とか普通のクルマでは味わえない刺激といった特徴に惹かれてオーナーになる人は少なくない。

 マーチカブリオレは、お手頃感ゆえに他のオープンモデルのように憧れを抱かれるようなことはなかったが、その特徴からはオープンカーとしての基本をしっかりと押さえた本格派を目指して作られていたことがわかる。そのうえ実用的で、安全性や経済性にも秀でており、なによりオープンカーならではの爽快感を4人で楽しめるなど、小さいボディにたくさんの魅力が凝縮されていた。

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