■パフォーマンスを抑えることでスマートさを演出
車内はオーソドックスな造形で構成されているが、シートや天井部分には本革を用いることで豪華な空間に仕立てられ、大人の感性に響く気品を漂わせている。インテリアカラーは25色のなかから選択でき、インパネやドアトリムに金属パーツを取り入れるなど細部にまでこだわった作りがなされている。
メーターは中央に速度計、左にタコメーター、右に水温計と燃料計を配置したオプティトロン式で視認性は良好だ。3本スポークステアリングや、ストレート式シフトレバーによる操作性のよさも相まって日常的な用途で不満はない。
超個性的なボディの中身は、光岡オリジナルのスチール製スペースフレームが採用されている。スーパーカーといえば8気筒以上のマルチシリンダーで、大排気量、高出力エンジンを搭載するのが定石だが、オロチではトヨタから供給されるV型6気筒3.3Lの3MZ-FE型エンジンが搭載され、トランスミッションは5速ATが組み合わされている。
最高出力は233ps、最大トルクは33.4kgmで、動力性能に関しては本格スーパーカーであるフェラーリやランボルギーニはおろか、和製スーパーカーのホンダNSXや日産GT-Rにも及ばない。ハンドリング性能についても、86やロードスターといった国産スポーツカーほうがよっぽど機敏で爽快感を得ることができる。
しかし、見た目はスーパーカーそのものであっても動力性能が抑えられていることで、ハンドリングが穏やかで乗り心地も優れている。意外なほど普通に作り込まれたインテリアも含めて、誰でもスマートに乗れることが重視されている。これもオロチのセールスポイントであり、他のスーパーカーとは一線を画す魅力なのだ。
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