【シエンタ、スイフト、XV…】高齢者に楽しく安全で優しいクルマとは

【シエンタ、スイフト、XV…】高齢者に楽しく安全で優しいクルマとは

 最近、高齢者によるペダル踏み間違いによる急発進や暴走事故がニュースを賑わせている。

 本企画担当者の両親も80代。免許返納する、しない、急発進や暴走事故を起こさないクルマを買う、買わないなどと、両親に会うたびに言い争いになっている。

 きっと70代後半から80代の高齢者を持つ方たちも同じような境遇の人も多いのではないだろうか。

 本当は運転免許を返納したいけど、プライドの問題や、そもそも自家用車がライフラインになっている地域もあり、「1日でも安全にクルマに乗っていたい」という高齢者は多い。

  そこで、こうした高齢者にお薦めしたい優しいクルマとして、まずは、あえてスポーツカーから1台を選び、続いてSUV、ミニバン、コンパクトカー、軽自動車と、各ジャンルのなかから選んでもらった。

 はたして、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏がお薦めする高齢者に優しいクルマとは?

文/渡辺陽一郎
写真/ベストカーWEB編集部

(画像ギャラリー) 【楽しくて安全で長く乗れる!!】「高齢者に優しいクルマ」とは


高齢者の立場になって考えてみた

 高齢者に優しいクルマを考える時、当たり前の話だが、高齢者の気持ちになることが大切だ。読者諸兄なら、どのようなクルマを選ぶだろうか。

 注意したいのは「高齢者」と聞くと、面白みのない運転しやすいだけのクルマを選びやすいこと。体力が衰えるから、運転のしやすさと安全性は大切だが、それだけでは推奨できない。

 高齢ドライバーの現在の年齢が70歳であれば、誕生したのは1949年だ。20歳の時は1969年だから、初代フェアレディZ(S30型)、3代目スカイラインの2000GT-R、ベレット1600GT-Rなどが発売された。1970年に入ると初代セリカ、初代カリーナ、ギャランGTO、初代カペラ、初代ジムニーなども登場している。

 1969年の大卒初任給は約3万2000円、2019年は約21万円だから、当時150万円だったスカイライン2000GT-Rは、今の価値に換算すると約1000万円に相当する。1966年に46万円だった初代サニーも、今の価値に換算すれば約300万円だ。

 クルマは相当な高額商品だったから、憧れる気持ちも強く、今までポリシーのあるクルマを選んできたに違いない。そのようなベテランのご両親に、失礼のないクルマを選んでいただきたい。

 ひとことでいえば、ご自分の好みを満足させられる上質な大人のクルマだ。その上で運転しやすく、誤操作も生じにくく、先進的な緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を備えることなどが求められる。

スポーツカー/マツダロードスター

価格は255万4200~325万6200円。ボディサイズは全長3915×全幅1735×全高1235mm。車重は990~1060kg。ロードスターに搭載される1.5L、直4エンジンは132ps/15.5kgm
価格は255万4200~325万6200円。ボディサイズは全長3915×全幅1735×全高1235mm。車重は990~1060kg。ロードスターに搭載される1.5L、直4エンジンは132ps/15.5kgm

 この条件に合った車種として、まずはスポーツカーのジャンルからはロードスターを挙げたい。上質な大人のスポーツカーだから、若い頃にフェアレディZやセリカに憧れた世代にピッタリだろう。「ロードスターに乗ってみない?」といわれて怒る人はいない。

 ロードスターは生粋のスポーツカーでありながら、全長は4m以内に収まって運転しやすい。コンパクトで軽いから、自分の手足のように操れる。クルマで出かけるのが楽しくなり、気分もアクティブになるだろう。

 6速MTを選べば、運転のトレーニングになり、乱暴に扱ったり操作を誤ると発進すらできない。従ってペダルの踏み間違い事故も防げて、運転技術も下がりにくい。

 スポーツカーでは珍しく、緊急自動ブレーキのスマートシティブレーキサポートが装着されることもロードスターの魅力だ。

ドライビングポジションにこだわるマツダらしく、ステアリングにテレスコピック機能が搭載されている。ロードスターへのテレスコピック機能採用は歴代初

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