最近、ワクワク、ドキドキするクルマがめっきり少なくなってしまいましたが、かつての日本車のなかには、心を踊らされる名車がありました。
なかには迷車と呼ばれてしまうクルマもありましたが、今、中古車市場でこうしたクルマたちは、いったい、いくらで販売されているのでしょうか?
そこで今回取り挙げたのは、いすゞビークロス、日産フィガロ、スバルアルシオーネSVX、トヨタセラ、スズキツインの5台です。
もし、お気に入りのクルマが見つかったら、ぜひ買って楽しんでくださいね!
文/伊達軍曹
写真/ベストカーWEB編集部
(画像ギャラリー)美しいデザインに驚嘆! ビークロス、フィガロ、アルシオーネSVXのコンセプトカーほか
いすゞ ビークロス/1997~1999
■中古車相場/ 40万~60万円
いすゞ ビークロスは、もともとは1993年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「ヴィークロス」。
その斬新なデザインが大好評となったため、1997年に「ビークロス」と車名を微妙に改めて市販バージョンが発売されました。車台はいすゞの屈強なクロカン四駆だったビッグホーンのものを利用しています。
ビークロスが「名車」か「迷車」かは評価が分かれるところでしょうが、この有機的で未来派なデザインは、日本車の長い歴史のなかでも上位10%には確実に入るほどインパクト大でした。
で、新車価格は295万円だったビークロスですが(※175リミテッドエディションは322万円)、現在の中古車相場は40万~60万円といったところ。ごく一部に100万円超の物件もありますが、たいていは「50万円前後」です。
このステキな造形を50万円ぐらいで手に入れられるというのはなかなかステキですが、残念ながら気軽におすすめできる中古車ではありません。
理由は「パーツ供給の不安」です。古い年式の希少モデルであるため、もはや新品の純正部品は入手不能。そして他モデルの部品を流用したり、中古パーツを探すのも容易ではありません。
「このクルマが本当に好きで好きでたまらない!」という人は別ですが、「なんとなくカッコいいから買おうかな?」ぐらいの軽い気持ちであるならば、「そう思うだけ」にとどめておいたほうが身のためでしょう。
日産 フィガロ/1991~1992
■中古車相場/50万~150万円
フィガロは、日産が1980年代後半から1990年代初頭にかけて展開した「パイクカーシリーズ」の第3弾として1991年2月に登場した、初代マーチがベースのオープンカーです。
往年の英国車を思わせるシブくてキュートな内外装デザインが大反響を呼び、当初は8000台のみを限定生産する予定だったところ、結局は2万台が製造されました。
新車時価格は187万円だった日産フィガロですが、現在の中古車相場は約50万~約150万円と、かなり上下に幅広い状態です。
価格の違いは、ほぼ「コンディションおよびそれまでの整備内容の違い」と考えていいでしょう。日本にもたくさんある専門店ががっつりレストアした個体は100万円以上で、そこまでではない個体は数十万円……というのが大まかなイメージです。
数十万円級のフィガロは購入後に少々の部品交換が必要になる可能性もあり、100万円超級のフィガロは「しばらくはそのまま乗れる」という場合が多いはずです。
しかし両者とも結局は30年近く前のクルマですので、壊れるときには壊れます。そして純正新品部品はもはやほぼ入手不可能で、修理するには中古部品を探すか、英国などの海外から輸入するか、あるいは自作するか……ということになります。
そういった手間をかけるだけの覚悟があり、なおかつご近所にそういった面倒を見てくれる(信頼できそうな)専門店があるならば、悪くない選択でしょう。