9月にフルモデルチェンジを受けたセダンのカローラ、ステーションワゴンのツーリングは昨年先行してフルモデルチェンジされた5ドアハッチバックのスポーツも含め、日本で販売されるカローラの車名が付くモデルとしては初めて全幅が5ナンバーサイズから3ナンバーサイズに拡大されたことが思いのほか注目されている。
税制を見れば平成になってから日本は排気量で区分されるため排気量が2L以下であれば5ナンバーも3ナンバーも変わらない。
しかし3ナンバー化はイメージや駐車場などの使い勝手により5代目アコード、9代目スカイライン、6代目シルビアなど、理由はそれだけではないにせよ失敗したクルマも多い。
その反面3ナンバー化で成功したクルマというのもあり、当記事ではそんなクルマたちを紹介しがら、カローラの3ナンバー化の是非も考察する。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、SUBARU、MAZDA、NISSAN、ベストカー編集部
2代目トヨタプリウス
デビュー:2003年
全幅:1695mm→1725mm
1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとして登場したプリウスは、2003年の2代目モデルへのフルモデルチェンジでハイブリッドシステムの大幅な進化、空気抵抗の低減と使い勝手の両立のため4ドアセダンから5ドアセダンへの移行に加え、全幅も3ナンバー幅に拡大された。
2代目プリウスの全幅の拡大は初代モデルでは細々としたものだった輸出が、2代目モデルでは北米を中心に大々的に始まったこともあり、側面衝突の対応や室内幅の拡大のため行われたものだった。
2代目プリウスの3ナンバー化は排気量は1.5ℓのままで全幅の僅かなものだったのに加え、この頃には3ナンバー車に対する抵抗感もほぼなくなっていたこともあり、3ナンバー化はいい意味でそれほど話題にならかった。
また2代目プリウスはクルマとしての質感を向上したこともあり当時珍しかったハイブリッドカーである点がVWゴルフや後述する4代目レガシィと比較対象となるプレミアムな要素となったうえに、モデルサイクル後半はガソリン価格が上がったことも追い風となり、大成功を納めた。
4代目スバルレガシィ
デビュー:2003年
全幅:1695mm→1730mm
レガシィは4代目モデルで3代目モデルから持ち始めていたプレミアム性を高めることに主眼に置いた非常に力の入ったフルモデルチェンジを受けた。
そのためベンツCクラスやBMW3シリーズ、アウディA4といったモデルがターゲットとなったこともあり、側面衝突への対応やスタイルのバランスを取るためといった理由もありボディサイズも3ナンバー化された。
4代目レガシィの3ナンバー化は2代目プリウスと同様に僅かなものだったのに加え、注目したいのは最小回転半径が3代目モデルの同サイズの17インチタイヤを履くグレード同士で5.6mから5.4mに小さくなっている点だ。
これは全幅の拡大によりタイヤの切れ角が大きくなったことによるもので、総合的な取り回しはむしろ3代目モデルより向上し、3ナンバー化によるデメリットは皆無だった。
こういった配慮に加え4代目レガシィはクルマそのものの魅力も歴代スバル車史上トップと言えるくらい高かったこともあり、少なくとも日本市場に限っては販売面でも成功を納め、未だにファンの多いモデルとなっている。
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