【スバルの名機が年内生産終了!】死ぬまでに乗っておきたいEJ20を積んだ名車7選

初代レガシィツーリングワゴンGT/1989年10月

初代レガシィの開発テストドライバーは現STIの辰巳英治氏。辰巳の手により世界中でテスト走行を行い、辰巳氏の感性によってまとめ上げられたレガシィは気持ちのよい走りができるクルマとなった
初代レガシィの開発テストドライバーは現STIの辰巳英治氏。辰巳の手により世界中でテスト走行を行い、辰巳氏の感性によってまとめ上げられたレガシィは気持ちのよい走りができるクルマとなった

 EJ20がデビューしたのは1989年。初代レガシィに搭載されて以来、30年の長きに渡ってSUBARUの最強ユニットとして磨き上げられてきた。

 そもそもEJエンジンの開発プロジェクトがスタートしたのは1984年。それまでの主力エンジンEA型はスバル1000用として生まれたもので、1966年デビューと基本設計が古く、元々はOHVエンジンとして生まれたこともあり、主にヘッドまわりの改良が限界に達していた。

 当時の富士重工業が社運をかけて開発したレガシィは、レオーネ時代とは異なる高速性能や操縦安定性を実現するべく開発されていたので、エンジンも新しい世代へ移行する必要に迫られる。

 EJ型エンジンの開発指揮をとったのは、のちにSTIの社長としても活躍する山田剛正氏。エンジンを刷新するには数100億円規模の予算が必要となるので、日本中の大企業が好景気に沸くバブル経済期の中で赤字を出していた当時の富士重工業としては苦しい選択だった。

 しかし、当時の社長、田島敏弘氏も新エンジン開発の必要性を強く感じていたこともあり、全面的な刷新のゴーサインが出た。

 車格としてはレガシィより下に位置付けられるエントリーモデルのインプレッサでは、直列4気筒の搭載も検討された。

 試作車のテストでも良い結果が得られていたが、小型で軽量、かつ高剛性、さらに低振動であるなど、やはり水平対向エンジンには直列4気筒よりも優位性があり、他社にはない個性も発揮できるということで、乗用車にはすべてEJ型を搭載することが決定される。

 直列4気筒を搭載すると、当時の提携先である日産の小型車とかぶる恐れがあり、それを避ける狙いもあったという。EJ型エンジンの最大の特徴は、高剛性と高出力化への潜在性能の高さにある。

 メインベアリングはEA時代の3個から5個に増やし、ブロックの結合ボルトは5本に増やしてブロック剛性を大幅に強化。逆に、ヘッド部分を固定するボルトはEA型の9本から6本に減らして、吸排気ポート回りの設計の自由度を増し、高出力化に対応できるようにした。

EJ20型に初めてターボが搭載された。当初セダンのRSに搭載され220ps/27.5kgmを発生
EJ20型に初めてターボが搭載された。当初セダンのRSに搭載され220ps/27.5kgmを発生

 そのEJ20のターボが初めて搭載されたのは、1989年1月に発売された初代レガシィだった。

 セダンとツーリングワゴンともEJ20の自然吸気版は当初から設定されたが、セダンの「RS」のみターボ付きが設定された。220ps/27.5kgmというスペックは当時クラス最強であった。

 その半年あまり後の1989年10月に、より実用域での扱いやすさを重視したセッティングのEJ20ターボを搭載したGTが加わった。こちらは200ps/26.5kgm。

 こちらはセダンだけでなくワゴンにもラインアップされ、ATには電子制御多板クラッチを用いたトルクスプリット機構を備える4WDを採用したのも特徴。

 当初からツーリングワゴンがメインだったレガシィは、それまでなかった、ターボエンジンを搭載する4WDの高性能なワゴンという組み合わせが受けて大ヒットし、ワゴンブームを巻き起こした。

 ほどなく他のメーカーからも高性能ワゴンが続々と登場することになる。ただし、燃費の悪さを指摘するユーザーは少なくなかった。

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