元F1ドライバーも多数参戦
そして、もうひとつ。WECの世界最高峰たる所以はドライバーにもある。
F1でチャンピオンチームのレッドブルに在籍していたマーク・ウェバーがポルシェで走り、トヨタにはF1時代、佐藤琢磨とチームメートだったアンソニー・デビッドソンや日本人元F1ドライバーコンビの中嶋一貴、小林可夢偉も参戦。
このほか世界トップクラスのドライバーたちが集い、通常レースは6時間、ル・マンは24時間という長時間のレースを、マシン1台につき3人のドライバーで走らせている。
ちなみに富士スピードウェイでF1が開催された時の周回数は67。対してWEC富士6時間の周回数は244周。F1の3倍以上という長距離のなかでマシンをコントロールし、チームで協力しつつ、ゴールまでマシンを運ぶ。
ドライバーには、F1とはひと味違う戦い方、ハイレベルなスキル・経験が求められるのがWECの難しさでもあるのだ。
トヨタチャンピオンの可能性あり!! WEC終盤戦の見所
さて、そんなWECは今シーズン残り2戦。11月6日決勝の中国戦、そして11月19日決勝のバーレーン戦を残すのみとなった。2台体制のトヨタは小林可夢偉もドライブする6号車が富士戦の優勝でランキング2位につけ、チャンピオン獲得の可能性を残している。
トヨタのWECマシン開発の中枢を担う、ハイブリッドプロジェクトリーダーの村田久武氏は、
「(今年のル・マンから)帰国後、いろんな人がいろんなことを言っているその反響の大きさに驚いた。応援にしろ否定的な意見にしろ、僕らがハイブリッド車でレースをやってることを認知してくれたからこそ。意識してくれてありがとう! ですね」(ベストカー11月10号)
と語る。
ニッポンのトヨタが、日本人ドライバーを擁して、世界の強豪ときちんと渡り合っている。それがWECなのだ。基本6時間という長いレース、あまり肩に力を入れず、食事を挟みながらのんびりと観戦する。そんな楽しみ方もできるのが、耐久レースのよさでもある。
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