■よきライバルたちと高め合ったモリゾウチャレンジカップ
ラリーは未経験という選手が珍しくないモリゾウチャレンジカップ。3月1日に初戦となるラリー三河湾2024に参戦した選手たちの多くは緊張し、冷静なドライビングが難しい状況だった。そのことを示すように出走した7台のうち3台がリタイアという厳しい結果となり、前途多難を思わせた。
しかし、選手たちは参戦を重ねるごとに、自分の実力を冷静に見つめ、そのなかでしっかりと完走することこそが何よりも大事なことというラリーの基本が少しずつ身についていった。
そこにはフィンランドから来日し、指導に当たったTGRワールドラリーチームの講師陣の影響も大きい。彼らは、速さはもちろんだが、冷静な判断力、つまりメンタルをとても重要視する。自分をコントロールしながら速さを競うのがラリーであり、モータースポーツなのだ。
もうひとつ彼らを成長させたのは、ライバルたちの存在だ。モリゾウチャレンジカップに参戦したドライバーたちは30歳以下と若い。シーズンが進んでいくにつれ自分たちの課題や練習方法を語り合っている姿が多くなった。選手たちは、ライバルであり、仲間なのだ。お互いが競い合い、コミュニケーションを取ることで、成長していった。
長いシーズンが終わり、それぞれの課題や目標が見えたなかで、より大きくなった姿を来シーズンは見せてほしい。選手の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした!
なお、年間チャンピオンのドライバー山田啓介選手はフィンランドで行われるWRCチャレンジプログラム4期生の最終選考会の参加資格が与えられる。
「目標はWRCドライバーになること」を公言してきた山田選手にとって大きなチャンスを手に入れたことになる。30歳と若くはないが、夢を諦めない姿は次の世代の目標になるはずだ。
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