競技をやりながらいろいろ覚えていくことで達成感が得られた
こうして迎えた本戦日、開会式やドライバーズブリーフィングを終え、続々とマシンがサービスパークを後にしていく。そして我らの出番、スタート時間もマシンごと1分違いで決められているのだ。
スタートで「タイムカード」をもらう。このタイムカードにスタート時刻を書いてもらい、そこからターゲットタイムを自分で足して到着時刻を計算する。自分でタイムカードを貰って、計算することで時間管理の仕方がようやくわかるようになった。
あと、時間管理を確実にするため…というか時間の足し算を間違えないようにするために、検索して時間計算をしてくれるアプリを入れてみた。これが本番でかなり役にたった。
SSではペースノートを読むワケだが、「どれをどのタイミングで読むか」が重要だと感じた。走っている状況に合わせなければいけないのは当然だが、ドライバーが次に余裕を持って構えられるタイミングで読むべき。
筆者はコーナーをクリアした直後に「次のコーナーまでの距離→コーナーのキツさ」の順番を基本として読むことにした。
そしてラリーならではの部分で魅力的だったのが、リエゾンで沿道の人たちが手を振って応援してくれていることだ。とても嬉しいし、コチラも手を振り返して声援に応える。
ただ、手を振りたくても振れない時もある。ラリーコンピューターをリセットしたり、スマホで次の地点の到着時刻を計算している時だ。
コ・ドライバーをやった身としては「あいつ手を振っているのに、スマホいじって愛想悪いなぁ」って思わないでほしいと切実に思う。その時は手が離せない時なのだ。決して愛想をつかしている訳ではないのだ。
こうして、初のコ・ドライバー挑戦は無事に完走。総合32位と結果もよかった。そして何よりペナルティがなかったのはホッとしている。
やってみてラリーには独自の面白さがあったし、本番中は楽しさを感じる余裕がなかったが、終わってみればコ・ドライバーの仕事をしている間は、自分の役割に真剣に向き合ってとても充実した時間であった。
実際にコ・ドライバーをすれば「ラリー」の全体像がわかる。そう思った1日は「またこの役割をやってみたい」と思った1日でもあった。



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