「2強の一角を崩せるか!?」レッドブル
- ・パワーユニット:ルノー
- ・開幕戦成績:【予選】4位、5位※/【決勝】4位/6位
フェラーリが革新・過激な空力追求なら、レッドブルは空力の王道を過激に進めてきた。
「2018年サイドポッド3原則」は、真空パックのように驚くほど絞り込まれたボディワークで過激にクリア。お椀を伏せたようなサイドポッドはレッドブル的で、後部フロアに大きな空間を築いている。
もちろん、基本は2017年仕様からの発展型だが、サイドポッドから後部への追い込みはフェラーリとは違う過激さで、ハロ対策とかシャークフィンやT-ウィング、モンキーシートの穴埋めではなく、アグレッシブに空力を攻めた結果にみえる。
今シーズンのルノー製パワーユニット次第だが、レッドブルは間違いなくトップコンテンダーのはずだ。
(※予選5位となったダニエル・リカルドは、ペナルティにより8番手スタート)
「船出を託すニューマシンの特徴は?」トロロッソ・ホンダ
- ・パワーユニット:ホンダ
- ・開幕戦成績:【予選】16位、20位/【決勝】15位、リタイア
ホンダとのコラボ第一号車、STR-13 HONDA。テストでは初日にいきなり90周超え、問題なく走行を続けていた。
車体は2017年仕様のSTR-12に、ホンダエンジン換装と今シーズンレギュレーション対応で組み上げられた暫定マシンだが、今シーズンはあくまでもテストケース。来季のマシンこそが本当のトロロッソとホンダのコラボマシンとなるという。
それでもSTR-13はドラッグ(=空気抵抗)の少ないマシン、高速サーキットではホンダの現実を知るいい機会だ。
ホンダも今シーズンは信頼性の確保に注力し、パフォーマンスはその後だという。年間3基規則ならこれは当たり前の言葉。今季だけでなく来季が楽しみだ。
【津川哲夫】
開幕戦で見えた2つの熱い戦い
今季開幕戦となったオーストラリアGPは、予選でメルセデスのルイス・ハミルトンが、2位にコンマ6秒以上の差を付ける圧倒的なタイムでポールポジションを奪取した。
メルセデスは目下、シーズン4連覇中。追い抜きが難しいオーストラリアGPの特性を加味すると、「メルセデスの優勝は確実」。そんな空気さえ漂っていた。
しかし、決勝レースでは既報のとおり、バーチャルセーフティカー出動という一瞬の隙をついたフェラーリ、ベッテルが逆転優勝。
最強メルセデスをフェラーリが下したことでチャンピオン争いの白熱は必至。今季もトップ争いは、メルセデス・フェラーリ・レッドブルの3強を軸に展開されそうだ。
もうひとつの熱い戦いは、3強に次ぐ中団グループ争いだ。現在のF1は10位までが入賞、ポイントを獲得できる。順当な力関係でいけば、6位までは3強が占めることになる。
それ以外でポイントを獲得できるのは残り4人。1チーム2ドライバーなので、中団グループで上位2チーム以内に入らなければ入賞は難しくなる。
実際、3強以外のチームで開幕戦入賞を果たしたのはマクラーレンとルノーのみ。ここに予選で6、7位に入ったハースやフォースインディアも加わる。トロロッソ・ホンダが、この熾烈な争いにどこまで割って入れるかにも注目だ。
今シーズンは、津川氏が指摘しているように、1台のマシンにつき年間で計3基のパワーユニットしか使用できない。つまり、開幕戦を戦ったパワーユニット以外に、たった2基しか新たなパワーユニットを投入できないことになる。
それだけに、各チームがどこで新しいパワーユニットに載せ替えるか、そのパワーユニットにどのような改良を施すか、によって力関係が変わる可能性もある。
これは、厳しい船出となったトロロッソ・ホンダの浮上を左右する要素となりそう。次戦、第2戦バーレーンGPは4月8日決勝だ。
【編集部】
■2018年 F1グランプリ日程
- 第2戦 バーレーン 4月8日決勝
- 第3戦 中国 4月15日決勝
- 第4戦 アゼルバイジャン 4月29日決勝
- 第5戦 スペイン 5月13日決勝
- 第6戦 モナコ 5月27日決勝
- 第7戦 カナダ 6月10日決勝
- 第8戦 フランス 6月24日決勝
- 第9戦 オーストリア 7月1日決勝
- 第10戦 イギリス 7月8日決勝
- 第11戦 ドイツ 7月22日決勝
- 第12戦 ハンガリー 7月29日決勝
- 第13戦 ベルギー 8月26日決勝
- 第14戦 イタリア 9月2日決勝
- 第15戦 シンガポール 9月16日決勝
- 第16戦 ロシア 9月30日決勝
- 第17戦 日本 10月7日決勝
- 第18戦 アメリカ 10月21日決勝
- 第19戦 メキシコ 10月28日決勝
- 第20戦 ブラジル 11月11日決勝
- 第21戦 アブダビ 11月25日決勝
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