他メーカーからトヨタ車に乗り換えるベテランドライバーも
勝田選手は昨年スバルからトヨタに乗り換えたわけだが、同じように昨年からJN1クラスにGRヤリスを持ち込んでいるのが奴田原文雄選手だ。奴田原選手といえば、長年にわたり三菱車でラリーに参戦してきていたが、所属していたタスカエンジニアリングが参戦を止めるということで、自らのチームを立ち上げるにあたり「戦える車両を」とGRヤリスをチョイスした。
その奴田原選手は、2016年からラリースクールを立ち上げ、さらに2018年から若手育成プログラムとして「NUTAHARA RALLY SCHOOLジュニアチーム」という活動も展開しているが、その一期生で昨年JN3クラスのタイトルを獲得した大竹直生選手、そして二期生の小暮ひかる選手、また、昨年ラリースクールのヤングエキスパートクラスを受講した山本雄紀選手の3名を、トヨタのWRCドライバー育成プログラムであるTGR WRCチャレンジプログラムに送り込んでいる。
そして今シーズンも、奴田原選手のGRヤリスを含め、ラリースクール生の平川真子&藤田めぐみ組(RSS86withヌタハララリースクール/トヨタ86)、そして佐藤セルゲイビッチ&明治慎太郎組(夫婦の学校ヤリスCVT/トヨタ・ヤリス)という3台のトヨタ車で参戦する。
ステップアップの流れを作っているのもトヨタ車増加の理由
トヨタはラリー競技のグラスルーツカテゴリーへのアプローチも地道に続けている。それが入門者向けラリーシリーズである「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(ラリチャレ)」である。時折モリゾウ選手が参戦し、ニュースになることもあるので、ご存知の方も多いだろう。
ラリチャレを経験し、さらに上へのステップアップということで全日本ラリーへ参戦というルートをたどる選手もいる。こういった流れを受けてか、実際に車両を販売するディーラーにも波及し、ディーラーからの参戦が多いのも特徴である。もちろん、トヨタ販売店からの参戦であるからトヨタ車でという流れとなる。
90年代からのラリーのイメージといえば、スバルと三菱という印象も強かったが、現在は、ラリーをするならトヨタ、なのである。市販車の開発フィールドに全日本ラリーの場を選び、プロモーションにつなげているのもポイント。トヨタの勢いが衰えることはなさそうだ。
【画像ギャラリー】意外な重量級マシンの姿も。全日本ラリーに出場した主なトヨタ車(4枚)画像ギャラリー
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